【2025/26年度最新版】ASIJ願書・出願エッセイ完全攻略ガイド|合格する質問票の書き方と回答例(日英)
目次
The American School in Japan(ASIJ)は、日本で最も歴史があり、最大規模を誇るアメリカン・インターナショナルスクールです。ASIJの願書(Application)における「Questionnaire(質問票)」は、単なる手続きではありません。それは、アドミッション・オフィス(入試担当者)との最初の「対話」であり、書類選考の合否を左右する極めて重要なプロセスです。
本記事では、実際の出願フォームで問われる質問の全体像を把握した上で、特に「合否を分ける重要質問」に絞って、その意図と合格レベルの回答例(日・英)を徹底解説します。
ご注意(必ずお読みください)本記事で紹介する質問の概要は、実際の出願傾向を分析したものです。著作権および法的配慮のため、実際の質問文を一字一句そのまま掲載することは避けていますが、問われている本質的な意図(エッセンス)は忠実に反映しています。出願の際は、必ず学校のAdmissions Portalから最新の要項をご自身でご確認ください。
Part 1: Student Questionnaire(お子様に関する質問)
Student Questionnaireは、非常におおまかに言うと「基礎データ」と「人物像」の2つのパートに分かれています。
まずはここから:基礎データと背景情報の確認
願書の冒頭では、以下のようなお子様のバックグラウンドに関する質問が続きます。これらは「事実」を正確に伝えるパートですので、ありのままを記入してください。
- 基本情報: 生年月日など
- ご家族について: 家族の過ごし方や、最近の家族の変化(引越しや別居など)
- 生活歴: 6ヶ月以上居住した国と期間(多様な文化背景の確認)
- 学習・行動履歴: 過去の懲戒処分の有無や、学習サポート(Learning Support)の受給歴
- 言語環境: 家庭で話す言語、第一言語、第二・第三言語の習得時期(Language Acquisition)
- 健康・医療情報: アレルギー、視力・聴力、既往歴など
【ここが勝負所!】
差がつくのは、これらの事実確認の後に続く、お子様の内面や性格に踏み込んだ「記述式(Open-ended)」の質問です。ASIJはここで「お子様がクラスにどのような貢献をもたらすか」を見極めています。
以下、特に重要な3つの質問にフォーカスして解説します。
重要質問 ①:お子様の強みと魅力
(概要:お子様の愛すべき資質・強みを1〜2点挙げ、その理由を教えてください)
質問の意図
「優しい」「明るい」といった一般的な形容詞だけでは不十分です。ASIJが知りたいのは、「その強みが、学校という集団生活の中でどう発揮されるか」です。リーダーシップ、共感力、知的好奇心など、具体的なエピソードを交えて語る必要があります。
合格レベルの回答例 (Detailed Example Answer)
English:
“One of the qualities we admire most is his inclusive leadership and empathy. He possesses a natural ability to notice when peers are marginalized and takes the initiative to bridge that gap. For example, during a group project at his current school, he noticed a classmate struggling to participate due to a language barrier. Instead of ignoring the situation to focus on the task, he created visual aids and used simple gestures to ensure the student felt included and valued. Furthermore, his intellectual curiosity drives him to ask ‘why’ rather than just ‘how.’ Whether he is disassembling a broken toaster to understand its mechanics or researching the historical context of a local festival, his innate drive to understand the world around him is infectious, often inspiring his peers to be more inquisitive.”
日本語訳:
「私たちが最も素晴らしいと感じているのは、彼の包括的なリーダーシップと共感力です。彼には、周囲から浮いている友人に気づき、その溝を埋めようと行動する天性の才能があります。例えば、現在の学校でのグループワーク中、言葉の壁が原因で参加できずにいるクラスメートに気づきました。彼はタスクを優先してその状況を無視するのではなく、視覚的な補助やジェスチャーを使って、その生徒が『自分もチームの一員だ』と感じられるように配慮しました。さらに、彼の知的好奇心は、単に『どうなっているか』だけでなく『なぜそうなるのか』を問い続ける点にあります。壊れたトースターを分解して仕組みを理解しようとしたり、地域の祭りの歴史的背景を調べたりと、世界を深く理解しようとする彼の熱意は周囲にも伝播し、しばしば友人たちの探究心をも刺激しています。」
重要質問 ②:新しい環境への適応スタイル
(概要:お子様は新しい環境にどう反応しますか? 具体例を交えて説明してください)
質問の意図
「すぐに馴染めます(Easily adapts)」と書くのが理想に見えますが、内向的なお子様の場合でもマイナス評価にはなりません。重要なのは、「自分のペースでどう適応していくか(Coping Strategy)」を親が理解し、サポートできているかを示すことです。
合格レベルの回答例 (Detailed Example Answer)
English:
“She tends to be an ‘observant adapter’ in new environments. Initially, she prefers to step back and observe the social dynamics and rules before actively engaging. While she may appear quiet or reserved for the first few days, this cautious approach allows her to assess the situation and form deep, meaningful connections once she feels psychologically safe. A prime example was when she joined a local swimming club where no one spoke her native language. Although she was anxious at first, she used her observation skills to understand the coach’s non-verbal instructions and gradually built rapport with teammates through shared goals. We support her by validating her feelings and visiting new places beforehand to reduce anxiety, allowing her to transition at her own pace.”
日本語訳:
「彼女は新しい環境では『観察しながら適応する(Observant Adapter)』タイプです。最初は一歩引いて、その場の社会的な力学やルールを観察してから、積極的に関わろうとします。最初の数日は静か、あるいは控えめに見えるかもしれませんが、この慎重なアプローチにより、一度心理的な安全性(Psychological Safety)を感じると、深く意味のある人間関係を築くことができます。良い例は、母国語が通じない地元の水泳クラブに入った時です。最初は不安がっていましたが、彼女は観察力を活かしてコーチの非言語的な指示を理解し、共通の目標を通じてチームメイトとの信頼関係を徐々に築いていきました。私たちも、彼女の感情を認め、事前に新しい場所を訪れるなどして不安を軽減し、彼女自身のペースで移行できるようサポートしています。」
重要質問 ③:困難への直面と成長(レジリエンス)
(概要:お子様が学校や家庭で直面した具体的な「課題(Challenge)」と、その時の反応、および今後ASIJで成長してほしい分野について)
質問の意図
これは「失敗談」を書く場所ではありません。「Resilience(回復力)」と「Growth Mindset(成長思考)」をアピールする場所です。困難から逃げずにどう向き合ったか、そして親がどう見守ったかを記述します。
合格レベルの回答例 (Detailed Example Answer)
English:
“Last year, he faced a significant challenge with perfectionism, particularly in mathematics. When he couldn’t solve a problem immediately, he would become frustrated and want to give up, viewing mistakes as failures rather than learning opportunities. To help him navigate this, we encouraged him to focus on the ‘power of yet’—he didn’t understand it yet. He started keeping a ‘mistake journal’ to analyze where he went wrong. Over time, he learned to ask for help and view struggle as a necessary part of growth. At ASIJ, we hope to see him further develop this resilience. We want him to be in an environment where he feels safe to take academic risks and express his unique ideas without the fear of being imperfect, especially in an inquiry-based learning setting.”
日本語訳:
「昨年、彼は特に数学において『完璧主義』という大きな課題に直面しました。問題をすぐに解けないとフラストレーションを感じ、間違いを『学びの機会』ではなく『失敗』と捉えて投げ出したくなることがありました。これを乗り越えるために、私たちは『Power of Yet(”まだ”の力)』—今は”まだ”分かっていないだけ—に注目するよう促しました。彼は『間違いノート』を作り、どこで間違えたかを分析するようになりました。時が経つにつれ、彼は助けを求めること、そして苦労を成長に必要なプロセスとして捉えることを学びました。ASIJでは、このレジリエンス(回復力)をさらに伸ばしてほしいと願っています。探究学習の環境の中で、不完全であることを恐れずに学問的なリスクを冒し、自分のユニークなアイデアを表現できる強さを身につけてほしいと考えています。」
Part 2: Parent Questionnaire(保護者の教育観に関する質問)
ここからは保護者自身の「教育観」と「学校へのコミットメント」が問われます。ASIJのミッションといかに合致しているか(Alignment)が最大のポイントです。
重要質問 ④:将来の人物像(Vision)
(概要:お子様が大人になった時、どのようなスキルや特徴を持っていてほしいですか?)
質問の意図
個人的な成功(良い大学、良い就職)だけでなく、「社会への貢献(Global Citizenship)」を含めることが必須です。
合格レベルの回答例 (Detailed Example Answer)
English:
“We hope she evolves into a compassionate global citizen who possesses both the critical thinking skills to analyze complex world issues and the empathy to understand diverse perspectives. Beyond academic success, we value her ability to be an active changemaker. We want her to have the courage to stand up for equity, the flexibility to adapt to an ever-changing future, and the collaborative spirit to work with people from all walks of life. Ultimately, we hope she uses her education not just for personal gain, but to contribute positively to her community and the wider world.”
日本語訳:
「私たちは、彼女が複雑な世界の問題を分析する『批判的思考力』と、多様な視点を理解する『共感力』の両方を兼ね備えた、思いやりのある地球市民へと成長することを願っています。学業での成功以上に、私たちは彼女が能動的なチェンジメーカー(変革者)であることを重視します。公平性(Equity)のために立ち上がる勇気、絶えず変化する未来に適応する柔軟性、そしてあらゆる立場の人々と協力する精神を持ってほしいのです。最終的には、教育を単なる個人的な利益のためでなく、コミュニティやより広い世界に肯定的な貢献をするために使ってほしいと考えています。」
重要質問 ⑤:現代の学校への期待
(概要:厳格な教育を行い、未来へ備える現代の学校に、何を期待しますか?)
質問の意図
従来の「詰め込み教育」ではなく、ASIJが実践する「Student Agency(主体的な学び)」や「Deep Learning(深い学び)」への理解を示します。
合格レベルの回答例 (Detailed Example Answer)
English:
“We expect a modern school to move beyond rote memorization and foster true student agency, where learning is driven by genuine curiosity and inquiry. We look for an environment that balances academic rigor with Social-Emotional Learning (SEL), understanding that emotional well-being is the foundation of academic achievement. Furthermore, we value a school that provides opportunities for ‘transferable skills’—applying knowledge to real-world contexts through project-based learning. We want our child to be in a setting where it is safe to fail and try again, as we believe this iterative process is essential for innovation.”
日本語訳:
「私たちは現代の学校に対し、単なる暗記を超えて、真の好奇心と探究心によって学びが主導される『スチューデント・エージェンシー(生徒の主体性)』を育むことを期待しています。また、精神的な幸福こそが学業成就の基盤であると理解し、学問的な厳しさと社会情緒的学習(SEL)のバランスが取れた環境を求めています。さらに、プロジェクトベースの学習などを通じて、知識を現実世界の文脈に応用する『トランスファラブル・スキル(応用可能なスキル)』を磨く機会を重視しています。『失敗しても再挑戦できる安全な環境』こそが、イノベーションを生み出すために不可欠だと信じています。」
重要質問 ⑥:多様性・公平性・包括性(DEI)への取り組み
(概要:ご家庭でDEI(Diversity, Equity, Inclusion)を支援するために、どのような行動や話し合いをしていますか? 具体例を教えてください)
質問の意図
ASIJ最重要項目の一つです。「差別をしない」という受身の姿勢ではなく、家庭内でどのような能動的な教育をしているかが問われます。
合格レベルの回答例 (Detailed Example Answer)
English:
“In our family, we treat diversity not just as a concept, but as a daily practice. We actively curate our home library and media consumption to include protagonists from diverse racial, neurodiverse, and cultural backgrounds to normalize differences. Recently, when discussing global news events, we had a frank conversation about ‘unconscious bias’ and how it shapes our perceptions. We encourage our children to ask questions about differences respectfully rather than ignoring them. Additionally, we make it a point to host dinners with families from different backgrounds, teaching our children that our way of living is just one of many valid ways to experience the world.”
日本語訳:
「わが家では、多様性(Diversity)を単なる概念としてではなく、日々の実践として捉えています。私たちは、多様な人種、ニューロダイバーシティ(神経学的多様性)、文化的背景を持つ主人公が登場する本やメディアを意識的に選び、家庭内で『違い』が当たり前のこととして感じられるようにしています。最近、世界的なニュースについて話し合った際、『アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)』**について、そしてそれが私たちの認識をどう形成するかについて率直な会話をしました。私たちは子供たちに、違いを無視するのではなく、敬意を持って質問するよう促しています。また、異なる背景を持つ家族を夕食に招くなどして、『自分たちの生き方は、世界を経験する多くの正解の一つに過ぎない』ことを教えています。」
重要質問 ⑦:志望動機とファミリー・フィット
(概要:なぜASIJがご家庭に合っているのですか? なぜご家庭がASIJに合っているのですか?)
質問の意図
「なぜASIJか(Why School)」だけでなく、「なぜ私たちか(Why Family)」という貢献の視点が不可欠です。
合格レベルの回答例 (Detailed Example Answer)
English:
Why ASIJ: We are drawn to ASIJ specifically for its commitment to holistic education. The emphasis on the ‘Creative Arts Design Center’ and service-learning programs aligns perfectly with our desire for our child to learn by doing. We believe the school’s core values provide the psychological safety necessary for our child to thrive.
Why Us: We view education as a partnership. Our family is the right fit because we are committed to being active, positive contributors to the community. We understand the importance of supporting the school’s policies and respecting the faculty’s expertise. Furthermore, with my background in [Parent’s Profession], I would be honored to volunteer for career days or mentor students, helping to bridge the gap between classroom learning and the professional world.
日本語訳:
なぜASIJか: 私たちがASIJに惹かれる理由は、その全人教育へのコミットメントにあります。特に『クリエイティブ・アーツ・デザインセンター』やサービスラーニング(奉仕学習)への注力は、子供に『実践を通して学んでほしい』という私たちの願いと完全に一致しています。学校の核となる価値観は、子供が成長するために必要な心理的安全性を提供してくれると信じています。
なぜ私たちか: 私たちは教育を『パートナーシップ』と捉えています。私たちがASIJにふさわしい理由は、コミュニティの活動的で肯定的な貢献者になる覚悟があるからです。私たちは学校の方針を支持し、教職員の専門性を尊重することの重要性を理解しています。さらに、私の[親の職業分野]の背景を活かし、キャリアデーのボランティアや生徒へのメンタリングを行うことで、教室での学びとプロフェッショナルの世界を繋ぐお手伝いができれば光栄です。
最後に
ASIJの願書は、単に質問に答えるだけのものではなく、ご家庭の「ストーリー」を語るプレゼンテーションです。今回ご紹介した回答例は、そのままコピーするのではなく、ご自身の具体的なエピソード(固有名詞や体験談)を組み込むことで、初めて「合格する願書」となります。Admissions Officerは、きれいな英語よりも「本物の言葉」を探しています。
EGCISは、インターナショナルスクール受験に特化した専門塾で、出願書類(Application Form / Essay)のサポート、出願試験対策、面接準備など、生徒の受験を総合的に支援しています。また、生徒だけでなく保護者の方にも寄り添い、出願プロセス全体に関するアドバイスや必要書類の説明、学校選びの相談など、受験期間を通して安心して進められるようサポートを提供しています。インターナショナルスクール受験についてお困りのことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

