インター受験、英語力だけでは合格できない?学校が見ている5つのポイント
目次
「英語が話せれば合格できる」と考えて、英語対策だけに力を注いでいる保護者の方は少なくありません。しかし、各インターナショナルスクールが公表している入学基準を読むと、英語力は評価項目のひとつにすぎないことがわかります。本記事では、日本国内のインターナショナルスクールで一般的に見られる選考の傾向をもとに、英語以外に学校が見ている5つのポイントを解説します。
英語ペラペラでも不合格?インター受験の評価基準
日本の私立中学受験のように「筆記試験の点数で合否が決まる」仕組みを想像していると、インター受験の実態とのギャップに驚くかもしれません。インターナショナルスクールの中には、一般的な入学試験を設けず、成績表、標準テストのスコア、推薦状などの書類を総合的に審査し、必要に応じて学力や英語のアセスメントを行う学校も少なくありません。また、幼児部や小学部の低学年では、英語力に関係なく受け入れを行う学校もあり、英語力そのものが必ずしも合否の決め手になるわけではありません。つまり、インター受験は「総合評価」です。主な評価軸を整理すると、次のようになります。
| 評価軸 | 主に見られる場面 |
|---|---|
| ソーシャルスキル | 幼児・低学年のグループスクリーニング、プレイセッション、推薦状 |
| 問題解決能力・思考力 | 認知能力テスト、トライアル授業 |
| 家庭とミッションの一致度 | 保護者面接・家族面接、保護者の英語要件 |
| Math(算数・数学) | 学力アセスメント、数学教員の推薦状 |
| 自己表現力 | 本人面接、エッセイ(作文) |
ポイント1:ソーシャルスキル(集団行動・協調性・譲り合い)
特に幼稚園(Kindergarten)や低学年の受験で重視されるのが、年齢相応の社会性です。
選考でよく見られる形式
- 年齢にふさわしい社会的・行動面での成熟度を、入学基準として明記している学校があります。
- 幼稚園の選考では、複数の子どもがグループで一定時間を過ごし、複数の教員がその様子を観察する形式が見られます。
- インフォーマルなプレイセッション(遊びの時間)と保護者面接を組み合わせて選考する学校もあります。
- 推薦状では、学業成績だけでなく行動面についても評価できる教員に書いてもらうことが推奨される場合があります。
何が見られているのか
グループでの活動では、順番を待てるか、おもちゃや教材を友だちと共有できるか、先生の指示を聞いて行動できるか、初めての環境や初対面の大人・子どもとどう関わるか、といった点が自然と表れます。学校によっては、幼稚園受験の準備として、英語の早期詰め込みよりも、子どもの第一言語をしっかり確立させ、他の子どもと関われるようにしておくことを勧めているケースもあります。
家庭でできる対策
- 公園や習い事など、同年代の子どもと遊ぶ機会を意識的に増やす
- 「順番を待つ」「貸して・どうぞ」といったやり取りを日常で練習する
- 片付けや身支度など、身の回りのことを自分でできるようにする
- 母語(日本語など)での会話を豊かにし、気持ちを言葉で伝える力を育てる
ポイント2:問題解決能力とクリティカルシンキング
インターナショナルスクールの多くは、知識の量よりも「どう考えるか」を重視する教育を行っています。そのため、入学選考でも思考力を測る仕組みが取り入れられることがあります。
IB校が目指す学習者像
国際バカロレア(IB)では、学業的な成功を超えた幅広い資質を「IBの学習者像」として定めています。その中には「考える人」「探究する人」「コミュニケーションができる人」などが含まれており、自ら問いを立て、批判的・創造的に考える力が重視されています。IB校を受験する場合、こうした資質が面接やアセスメントの場面でも意識されていると考えられます。
認知能力テスト
英国系のスクールなどでは、「CAT4」と呼ばれる認知能力テストが選考に用いられることがあります。CAT4は英国のGL Assessment社が開発したテストで、学習内容の知識ではなく、推論する力を測ることを目的としています。
| 領域 | 内容 |
|---|---|
| Verbal Reasoning(言語的推論) | 言葉を使って考え、推論する力 |
| Non-verbal Reasoning(非言語的推論) | 図形やパターンを使って問題を解く力 |
| Spatial Reasoning(空間的推論) | 図形を頭の中で動かしたり、立体的に考えたりする力 |
| Quantitative Reasoning(数量的推論) | 数を使って問題を解決する力 |
認知能力テストを採用しているかどうかは学校によって異なり、公式に公表していない学校もあるため、志望校の要件は個別に確認が必要です。
家庭でできる対策
- 「なぜそう思う?」「他の方法はある?」と問いかけ、理由を説明する習慣をつける
- パズル、ブロック、ボードゲームなど、図形や論理を使う遊びを取り入れる
- ニュースや身近な出来事について、親子で意見を交わす
ポイント3:家庭の教育方針と学校のミッションの一致度
見落とされがちですが、非常に重要なのが「家庭と学校の相性」です。インター受験では、子どもだけでなく家庭全体が評価の対象になります。
選考でよく見られる考え方
- 家庭の教育目標や価値観が、学校の理念や教育アプローチと一致しているかを、合否判断の基準として明記している学校があります。
- 学校のミッションや価値観を理解し、尊重し、支えてくれる家庭を求めると公表している学校もあります。
- 宗教系のスクールでは、信仰の有無にかかわらず出願を受け付けつつも、学校のミッションや価値観を家族として心から支持することを重視する場合があります。
保護者の英語力も評価の一部
多くのインターナショナルスクールでは、学校とのやり取りがすべて英語で行われるため、保護者の英語力について要件を設けています。よく見られる要件は次のとおりです。
| 要件の例 | 内容 |
|---|---|
| 保護者のうち1名以上が英語に堪能であること | 子どもの学習を支え、学校と円滑にコミュニケーションを取るため |
| 主な養育者が英語でやり取りできること | 日常的な連絡や面談に対応するため |
| 学校からの書面連絡を理解できること | お知らせや保護者向けポータルの情報を把握するため |
家庭でできる対策
- 志望校のミッションステートメントや教育理念を公式サイトで読み込み、自分たちの言葉で説明できるようにする
- 「なぜインターなのか」「なぜこの学校なのか」を夫婦で話し合い、一貫した考えを持つ
- 学校説明会やキャンパスツアーに参加し、実際の雰囲気を確かめる
- 保護者自身も、学校とのやり取りに必要な英語力を準備する
ポイント4:Math(算数・数学)の論理的思考力
小学生以上の受験では、英語と並んで算数・数学の学力が評価されることが多くあります。
選考でよく見られる形式
- 小学部以上の応募者に、英語と数学で学年相応の力を求めることを明記している学校があります。
- 英語と数学のアセスメントテストを行い、その結果をもとに面接へ進む流れを取る学校もあります。
- 中学部・高等部の出願では、推薦者の1人を数学教員とするよう求める、または推奨する学校があります。
注意したいポイント
日本の学校で算数が得意な子どもでも、英語で出題されると戸惑うことがあります。「sum(和)」「difference(差)」「product(積)」「fraction(分数)」など、算数・数学特有の英語表現に慣れておくことが重要です。また、インターの数学では答えだけでなく、考え方を説明する力が求められることもあります。
家庭でできる対策
- 学年相応の計算力・文章題の力を、まず日本語でしっかり固める
- 算数・数学の英単語や英語の文章題に触れておく
- 「どうやって解いたか」を言葉で説明する練習をする
ポイント5:面接・作文で発揮される「自己表現力」
学年が上がるにつれて、本人面接やエッセイ(作文)の比重が大きくなります。ここで見られるのは、文法的に正しい英語かどうかだけでなく、自分の考えや経験を自分の言葉で伝えられるかどうかです。
選考でよく見られる形式
- 中学部・高等部の出願書類として、生徒本人が書くエッセイを求める学校があります。
- 英語の手書きエッセイの提出と、校長や教員との面接を全応募者に課す学校もあります。
- 幼稚園や低学年の受験では、子ども本人よりも保護者面接や家族面接が重視される場合があります。
面接・エッセイで伝えたいこと
- 自分の好きなこと、得意なこと、挑戦したこと
- 困難をどう乗り越えたか、そこから何を学んだか
- なぜその学校で学びたいのか
- 将来やってみたいこと
暗記した模範解答をそのまま話すと、追加の質問に対応できず、かえって不自然な印象になることがあります。自分の体験に基づいたエピソードを、自然に話せるように準備することが大切です。
家庭でできる対策
- 日記や短い作文を習慣にし、自分の考えを書き表す練習をする
- 家族の会話の中で、子どもが自分の意見を話す機会をつくる
- 英語での模擬面接を通じて、初対面の大人と話すことに慣れる
学年別:重視されやすい選考要素
| 受験学年 | 重視されやすい選考要素 |
|---|---|
| 幼児部・幼稚園 | グループでの行動観察、プレイセッション、保護者面接・家族面接、社会性 |
| 小学部 | 成績表、推薦状、英語・算数のアセスメント、トライアル授業 |
| 中学部・高等部 | 成績表、複数の推薦状、英語・数学のアセスメント、認知能力テスト、エッセイ、本人面接 |
※上記は一般的な傾向であり、実際の選考内容は学校ごとに異なります。
まとめ:5つのポイントをバランスよく伸ばすEGCISの受験対策
インターナショナルスクールの受験では、英語力はもちろん大切ですが、それだけで合否が決まるわけではありません。学校は次の5つの要素を総合的に見ています。
- 集団の中で協調できるソーシャルスキル
- 自分で考え、問題を解決する力
- 家庭の教育方針と学校のミッションとの一致
- 学年相応の算数・数学の力と論理的思考力
- 面接やエッセイで自分を表現する力
これらの力は短期間で身につくものではなく、日々の生活や学習の積み重ねの中で育まれます。志望校が何を重視しているのかを公式情報で正確に把握したうえで、早めに準備を始めることが合格への近道です。
EGCISは、インターナショナルスクール受験に特化した専門塾で、出願書類のサポート、出願試験対策、面接準備など、生徒の受験を総合的に支援しています。インターナショナルスクール受験についてお困りのことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

