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【2025年版】Common Entrance 11+完全ガイド:英国名門私立校への道

  • 執筆者の写真: egcisjp
    egcisjp
  • 4 日前
  • 読了時間: 8分

お子さまを英国のインディペンデントスクール(私立校)へ進学させたいとお考えの保護者の方にとって、「Common Entrance (CE) 11+」は、入学選考における重要な関門の一つです。この試験は、生徒が準備校(プレップスクール)からシニアスクール(中等教育学校)へ進むYear 6の段階で受験します。


本記事では、CE 11+の試験内容から対策方法、学習のポイントまで、保護者の皆さまが知っておきたい情報を網羅的かつ、わかりやすく解説します。お子さまの未来の選択肢を広げるための一助として、ぜひご活用ください。


Common Entrance 11+とは何か?

Common Entrance(略称CE)は、Independent Schools Examinations Board (ISEB)という団体によって作成される、英国私立学校への入学試験です。特に11+試験は、11歳(Year 6)の生徒が翌年9月からYear 7としてシニアスクールに入学するために使われます。


この試験の最大の目的は、多くのスクールが共通の基準で志願者の学力を評価できるようにすることです。これにより、学校側は志願者の基礎学力やカリキュラムへの理解度を公平に測ることができ、志願者側も特定の学校の形式に縛られず、学んできた知識を試すことができます。

基本情報

  • 実施時期: 主にYear 6の春学期(1月)に実施されます。一部、秋学期(11月)に実施する学校もあります。

  • 主要科目: 英語、数学、科学の3科目が必須です。

  • 試験形式: 伝統的な筆記試験が基本です。問題用紙に解答を書き込む形式がとられます。

  • 試験会場: 原則として、受験生が在籍している準備校(プレップスクール)で実施されます。

受験の申込みとプロセス

CE  11+ の受験申込みは、個人がISEBに直接行うわけではありません。プロセスは以下の通りです。

  1. 志望校への出願: まず、保護者の方が進学を希望するシニアスクールに直接出願登録を行います。

  2. 仮合格の獲得: 多くの学校では、CE  11+ の受験は、すでに入学の仮合格(a conditional offer)を得た生徒が、その最終条件を満たすために受ける試験、という位置づけです。仮合格は、学校のレポートや面接、ISEBのCommon Pre-Testsなどの結果に基づいて出されます。

  3. 受験手続き: 受験登録自体は、在籍中のプレップスクールが、志望先のシニアスクール(採点校)を指定してISEBに手続きを行います。つまり、家庭での出願後、学校間で連携して試験準備が進められます。

試験内容と構成

各科目の試験は、公式シラバスに基づき、厳格な評価目標と詳細な出題範囲が定められています。


Part 1: 英語(English)

11+ Common Entrance(CE)英語試験は、主に「読解(Reading Comprehension)」と「作文(Writing Composition)」の2つのパートから成り、合計50点満点です。各パートの試験時間は45分で、その中に5分の読解・計画時間が含まれます。

読解(25点)

  • 文章は、事実に基づくものやフィクションなど年齢に適した内容が出題されます。

  • 問題は、単純な理解(約10点)と、文章の深い意味や表現の解釈(約15点)に分かれています。

  • 自分の言葉で答えること、完全な文章で書くこと、正しい綴りや文法にも注意が必要です。

  • 設問は、文章の情報を正確に読み取る力、言葉の使い方を説明する力、要約、理由説明、推測、語彙の意味説明などを問います。

作文(25点)

  • 複数の課題の中から1つを選んで、オリジナルの文章を書く形式です。

  • 物語、説明文、意見文、手紙、日記、感想文、絵に基づく文章など多様な形式があります。

  • 内容のまとまり(起承転結や議論の構成など)や表現力、文法や句読点の正確さも評価されます。

  • 高校進学先では、綴りと文法の正確さに追加で最大10点を配分する場合があります。

文法・語法・句読点

  • 文の構造や文法の基本的な使い方を理解し、使い分けができることが求められます。

  • 例えば、代名詞や品詞の識別、よく間違われる単語の使い分け(their/there/they’reなど)なども含まれます。

  • 会話文の書き方や引用符の使い方、句読点の役割も理解していることが重要です。


Part 2: 数学(Mathematics)の詳細

試験は60分のペーパー1枚で構成され、電卓は使用できません。内容は英国ナショナルカリキュラムKey Stage 2(主にYear 5・6)に基づいています。

数(Number)

  • 最大1,000万までの読み書き、比較、負の数の理解。ローマ数字は1000(M)まで。

  • 四則演算は、4桁以上の筆算、因数・倍数・素数の知識、12×12までの暗算など。

  • 分数は分母が同じ倍数の範囲での加減算、真分数×整数の乗算。小数は小数第3位まで読み書き、丸めも含む。パーセンテージは10の倍数や25%、75%が中心。

比と割合(Ratio and Proportion)

  • 整数の乗除を使った相対比較や未知数計算。

  • パーセンテージは10の倍数、25%、75%に限定。

  • 相似図形の拡大率や分割問題も出題。

代数(Algebra)

  • 文字の基本理解と簡単な公式利用。

  • 線形数列の規則発見や2変数の可能な組み合わせの列挙など。

測定(Measurement)

  • メートル法の単位変換、ヤード・ポンド法との概算理解。

  • 図形の周囲長・面積、体積の計算。

  • 時間の単位変換や時刻表問題。

幾何学(Geometry)

  • 2D・3D図形の識別、角度の測定(鋭角・鈍角等)、長方形の性質利用。

  • 三角形・四角形の角度計算、座標(第一象限限定)、図形の平行移動・鏡映。

統計(Statistics)

  • 棒グラフ・表・折れ線グラフの読み取り。

  • 度数分布表、円グラフの解釈(作成はなし)。

  • 平均値の計算と解釈(リストまたは非グループ化度数分布表)。


Part 3: 科学(Science)の詳細

60分の筆記試験1つで、生物・化学・物理の3分野から均等に出題されます。科学的な思考力や基本的な知識の応用力が問われます。

  • 生物 (Biology) :

    • 生命の基本: 細胞の構造(動物・植物)、生命活動(成長、生殖など)、生物の分類。

    • 人体: 骨格、消化、呼吸、生殖など、主要な器官系の働き。

    • 生態系: 食物連鎖や、人間が環境に与える影響についての理解。

  • 化学 (Chemistry) :

    • 物質の状態: 固体・液体・気体の性質と、融解・蒸発などの状態変化。

    • 物質の性質: 酸とアルカリ(pH)、物質の分離方法(ろ過、蒸留など)。

    • 化学反応: 燃焼や酸化など、身の回りで起こる基本的な化学変化の理解。

  • 物理 (Physics) :

    • 力と運動: 重力や摩擦などの力、その働き。

    • エネルギー: 様々なエネルギーの形態(運動、熱など)と、再生可能エネルギーについての知識。

    • 電気と光: 簡単な電気回路の仕組み、光の直進や反射、音の性質。

    • 宇宙: 太陽系の構造と、地球の自転・公転がもたらす現象(昼夜や季節)。

効率的なCE  11+ 対策と戦略的学習計画

CE  11+ は、一夜漬けで対応できる試験ではありません。Year 5の段階から計画的に準備を進めることが成功の鍵となります。


① 各科目の攻略法

  • 英語:

    • 多読: 様々なジャンルの本を読む習慣をつけ、語彙力と読解のスピードを養います。

    • 作文練習: 定期的に異なるテーマで文章を書く練習をします。物語、手紙、説明文など、様々な形式に慣れることが大切です。書いた後は、文法やスペルのミスを見直す習慣をつけましょう。

  • 数学:

    • 基礎の徹底: Key Stage 2の教科書や問題集を繰り返し解き、すべての分野で苦手を作らないようにします。

    • 過去問の活用: ISEBの公式サイトで販売されている過去問題は、最高の練習教材です。時間を計って解くことで、本番のプレッシャーに慣れることができます。

  • 科学:

    • 用語の理解: 各分野の専門用語を正確に覚え、その意味を自分の言葉で説明できるように練習します。

    • 身の回りとの関連付け: 日常生活の中にある科学的な現象(例:なぜ氷は水に浮くのか)について親子で話し合うなど、興味を深める工夫が有効です。


② 戦略的な学習計画の立て方

  • 準備期間: 理想はYear 6が始まる1年前、つまりYear 5の初めから準備を開始することです。これにより、基礎を固め、じっくり応用力を伸ばす時間を確保できます。

  • 学習習慣: 「毎日少しずつ」が基本です。短い時間でも良いので、毎日英語の読書や数学の問題に触れることで、知識を定着させます。

  • 現状分析と弱点克服: 定期的に模擬試験や過去問を解き、どの分野が苦手かを正確に把握します。そして、その弱点を克服するための学習に時間を割くことが、効率的なスコアアップにつながります。


試験結果とその役割

CE  11+ の試験結果は、合否が明確に出るものではなく、受験生の学力を示す詳細なデータとして扱われます。

  • 採点: 試験問題はISEBが作成しますが、採点は多くの場合、出願先のシニアスクールが自校の基準に沿って行います

  • 結果の形式: シニアスクールは採点後、科目ごとのパーセンテージ(%)を算出したり、それに基づき独自の評価グレード(例:A, B, C)を付けたりします。

  • 合格基準: 「何%取れば合格」という一律の基準はありません。学校の難易度やその年の志願者全体のレベルによって、求められるスコアは変動します。

  • 総合的な評価: 最も重要なのは、CE  11+ の結果だけで合否が決まるわけではないという点です。シニアスクールは、この試験結果を、学校の成績表、面接の評価、課外活動の実績などと合わせて、志願者を総合的に評価します。CE  11+ は、その評価プロセスにおける学術的な能力を証明するための、信頼性の高い要素の一つです。

終わりに

Common Entrance  11+ は、英国のインディペンデントスクールを目指すお子さまにとって、これまでの学習の集大成を披露する重要な機会です。試験は、単に知識量を測るだけでなく、論理的に考え、明確に表現する力を評価します。そのため、早期からの計画的な準備と、日々の学習習慣がお子さまの自信と成功につながります。

この試験は、プレップスクールでの学びの到達点を示すと同時に、次のステージであるシニアスクールでの豊かな学びへの扉を開くための大切なステップです。ぜひ、本ガイドを参考に、万全の準備を進めてください。


EGCISは、こうした受験準備や学校選びのサポートを専門的に行っています。試験内容や出題傾向の理解、学習計画の立て方、面接対策など、幅広い支援を受けられるので、ぜひ活用して万全の準備を進めてください。


 
 
 

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