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UKiset完全ガイド:英国ボーディングスクール進学への第一歩

  • 執筆者の写真: egcisjp
    egcisjp
  • 3 日前
  • 読了時間: 11分

お子さまを英国のボーディングスクール(全寮制私立校)や、イギリス式カリキュラムを採用しているインターナショナルスクールへ進学させたいとお考えの方にとって、「UKiset(ユーケーアイセット)」という試験は避けて通れないステップの一つです。

本記事では、UKisetの試験内容から対策方法や勉強のコツまで保護者の皆さまが知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。将来の進路を広げるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。

UKisetとは何か?

UKisetは「UK Independent Schools' Entry Test」の略で、9.5歳から18歳までの英語を母語としない留学生を対象に特別設計された、標準化されたコンピューターベースのオンラインテストです。


このテストの最大の目的は、世界中の多様な教育背景を持つ志願者を、英国の同年齢の生徒と比較可能な形で評価し、入学選考の基準を公平にすることです。試験はすべて英語で実施され、学力・思考力・英語力をバランスよく測定することができます。


現在では、イートン校やハロウ校などの世界的な名門校を含む250〜300校以上の英国インディペンデント・スクール(私立校)が、UKisetを留学生選考に導入しています。学校側にとっては、個別試験を設定せずとも、信頼性の高いスコアで志願者の実力を把握できるため、非常に効率的なツールです。また、志願者側にとっても、一度の受験で複数校へスコアを提出できるという大きなメリットがあります。

基本情報

  • 試験時間:約2〜2.5時間(休憩時間を含む)

  • 使用言語:すべてのセクションが英語で実施されます。

  • 結果レポートの送付先: 最大5校まで無料でスコアレポートを送付可能です。 6校目以降は、1校あたり追加で £50 が必要となります。

  • 受験方法・会場

    • 自宅受験(オンラインによる試験監督付き)

    • Pearson VUE公認テストセンター(日本国内では東京・大阪などに拠点あり)

  • 有効期間および再受験について: テスト結果の有効期間は 1年間 です。 成績に満足できなかった場合は 再受験が可能ですが、前回の受験日から 4ヶ月以上 の間隔を空ける必要があります。

申込み方法

UKisetの受験申込みは、公式サイト(https://www.ukiset.com)からオンラインで行います。


登録のタイミング

出願先の学校の出願締切日の少なくとも2か月前までに登録を完了することを強く推奨します。これは、試験日程の調整やスコアの処理・各学校への送信に十分な時間を確保するためです。


※まだ具体的な志望校が決まっていない場合でも、UKisetの受験は可能です。UKisetは、希望に応じて現地の教育コンサルタントとつなぐサービスも提供しており、学校選びのサポートも受けられます。


登録時に必要な費用

  • £295(月〜金の受験)

  • £324.50(週末受験希望の場合)

この受験料には以下がすべて含まれています:

  • 受験登録手続き

  • 試験のスケジュール調整

  • 試験監督(会場受験またはオンライン)

  • スコア処理および受験者・代理人への送信

  • 「UKisetプロフィールレポート」の作成および志望校への送付(最大5校まで)


登録後の流れ

オンライン申込みが完了すると、UKisetよりメールで案内が届きます。内容は以下のいずれかとなります:

  • 最寄りのテストセンター(東京・大阪など)の空き日程のご案内

  • 自宅オンライン受験の具体的な実施手順

試験内容と構成

名称

時間

内容

Reasoning(推論力)

約40〜45分

3つの推論分野を測定するコンピュータ適応型テスト:

  • Verbal Reasoning(言語的推論):語彙、読解力、英文法、論理的思考力

  • Non-Verbal Reasoning(非言語的推論):図形やパターンを用いた視覚的・論理的思考力

  • Mathematical Reasoning(数学的推論):数・量・数列などに基づく数的処理能力

Reading & Listening(読解と聴解)

約60〜90分

  • Cambridge English Test(Reading & Listening)に基づき、英語運用力(読解・聴解)を評価。

  • CEFRレベルで成績が表示される。

Essay Writing(ライティング)

30分

論理的で構成のあるエッセイライティングを評価。文法・語彙・表現力・主張の明確さが審査対象。

Part 1: Reasoning(45分)

UKisetのReasoningセクションは試験の中でも重要なパートであり、効果的に準備するためにはその仕組みを理解しておくことが不可欠です。このセクションはコンピュータで行われる選択式テストで、アダプティブ方式(適応型)を採用しています。つまり、解答によって問題の難易度が変化します。正しく答えると次により難易度の高い問題が出題され、間違えると少し易しい問題が出題されます。


このReasoningセクションは、次の3つの分野に分かれており、それぞれ異なるタイプの推論能力にフォーカスしています。

  1. Verbal Reasoning(言語的推論)

    UKisetのVerbal Reasoningでは、生徒の言語の理解力と操作能力が評価されます。 このセクションには、語彙、読解力、論理的思考に関する問題が含まれます。 生徒は文章を読み、その内容に基づいた設問に答えたり、一連の文が提示され、その中から与えられたテキストと最も関係の深いものを選ぶよう求められることがあります。このセクションで成功するためには、高い読解力、広範な語彙力、そして論理的思考力が必要です。

  2. Non-Verbal Reasoning(非言語的推論)

    UKisetのNon-Verbal Reasoningでは、生徒の視覚情報の理解力と操作力が評価されます。 このセクションでは、空間認識、パターン認識、論理的思考に関する問題が出題されます。生徒は図形やパターンの並びを見て、その関係性を読み取り、正しい選択肢を選ぶことが求められます。また、いくつかの形が提示され、その中から欠けているピースを特定する問題もあります。

  3. Mathematical Reasoning(数学的推論)

    UKisetのMathematical Reasoningセクションでは、生徒の数学的問題解決能力が評価されます。このセクションでは、算数、代数、幾何に関する問題が出題されます。生徒は方程式を解いたり、パターンを見つけたり、数学的原則を現実の場面に応用することが求められます。グラフや図表の読み取り問題も含まれます。このセクションで成功するには、問題解決能力、数学の基本的な理解、実用的な応用力が必要です。


Part 2: Reading and Listening(約30分)

このセクションでは、Cambridge English(Linguaskill) の評価基準に基づき、受験者の読解力(Reading)および聴解力(Listening)が測定されます。


英語力の評価には、国際的に広く認知されている CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠) が用いられ、A1〜C2のレベルで判定されます。これはIELTS(アイエルツ)スコアとの整合性もあるため、英語力を客観的かつ信頼性のある指標で示すことができます。

このセクションは、英語を母語としない留学生の「実用的な英語運用能力」を客観的に評価するため、多くの英国ボーディングスクールで出願条件または参考資料として重視されます。


Part 3: Essay Writing(30分)

UKisetには、英語のエッセイライティング能力を測定するセクションもあります。 このセクションでは、制限時間内に与えられたテーマに関して短いエッセイを書くことが求められます。


このセクションで成功するには、明確で簡潔な文章を書くスキル、文法や句読点の正確な使い方、説得力のある議論展開が必要です。


サンプルエッセイ題(年齢別)

  • 11+ 受験者向け:

    • "Describe your ideal weekend." (あなたの理想の週末について説明しなさい。) 

    • "Should children choose what they learn in school?" (子どもは学校で何を学ぶか自分で選ぶべきか?)  

  • 13+ 受験者向け:

    • "Discuss the pros and cons of social media in today's society." (現代社会におけるソーシャルメディアの長所と短所を論じなさい。) 

    • "If you were the Head Teacher at your school, what would you change and why?" (もしあなたが学校の校長先生だったら、何を、なぜ変えますか?)

  • 16+ 受験者向け:

    • "'No school should have a uniform' – Discuss." (「学校に制服は不要である」-この意見について論じなさい。) 

    • "The Role of Technology in Modern Education." (現代教育におけるテクノロジーの役割。)  

効率的なUKiset対策と戦略的学習計画


① 推論力セクション(Reasoning)の攻略法

UKisetのReasoningセクションは、知識よりも「考え方」を問うため、難しく感じられるかもしれませんが、継続的な練習によって必ずスコアは向上いたします。

  • 日々の練習はオンラインプラットフォームを活用することが重要です。

     公式のサンプル問題Atom Learningなどが有効な学習ツールとして挙げられます。

  • 分野別の対策ポイント

    • 言語的推論(Verbal Reasoning) 語彙力、読解力、論理的思考力が求められます。類義語・対義語、アナロジーなど多様な問題形式に慣れることが大切です。

    • 非言語的推論(Non-Verbal Reasoning) 図形やパターンから法則を見抜く能力が問われます。仲間外れ探しや2Dから3Dを想像する問題などの練習が有効です。

    • 数学的推論(Mathematical Reasoning) 基礎的な算数・数学の概念理解と問題解決能力が必要です。英国カリキュラムKey Stage 2〜3の内容の復習に加え、暗算練習も推奨されます。


② 英語力の強化

日常的に英語に触れる機会を増やすことが最も効果的です。

  • 読む力

  • 聴く力

    •  英語のポッドキャストやオーディオブック、TED Talks、字幕付きの映画などを活用し、リスニング力と発音に慣れる訓練を行いましょう。

  • 語彙力

    • UKisetでは、学年相応またはそれ以上の語彙力が求められます。読書習慣と併せて、意識的な語彙の学習を取り入れることが効果的です。

    • 新しい単語を使った作文・会話練習


③ 英語エッセイライティング力を鍛える

  • 計画(5分) まずはアイデア出しと構成を箇条書きで整理し、序論・本論(2〜3段落)・結論の流れを明確にします。

  • 執筆(20分) 明確な主張と根拠を示しつつ、語彙豊かに論理的に文章を作成します。

  • 見直し(5分) スペルや文法のミスを丁寧にチェックし、ケアレスミスを防ぎましょう。


④ 戦略的な学習計画の立て方

  • 準備期間:理想的には受験日の3〜6ヶ月前から計画的に準備を始め、単なる詰め込みではなく、思考力や英語運用能力をじっくり育てる時間を確保してください。

  • 学習頻度 :「少しずつ頻繁に」学習することが効果的です。短時間で集中した学習を毎日継続し、記憶の定着とモチベーションの維持を図りましょう。

  • 現状分析 :まずはUKiset公式のPre-Assessment(事前評価)を利用して、得意分野と不得意分野を正確に把握し、学習の優先順位を明確にしましょう。

UKiset試験結果レポートの内容

UKisetの受験後、保護者用レポート学校用レポートの2種類の結果報告書が作成され、それぞれ異なる情報が含まれています。


保護者向けレポート(Parent Report)

UKiset受験後、保護者には候補者(受験生)の成績をまとめたレポートが送付されます。このレポートには、推論力セクションおよび英語力評価(Cambridge English Assessment)の詳細な結果が記載されており、以下の項目を含みます。


1. 標準化スコア(Standardised Scores)

  • 言語的推論(Verbal Reasoning)

  • 非言語的推論(Non-Verbal Reasoning)

  • 数学的推論(Mathematical Reasoning)

これらのスコアは、同年齢の英国生徒(国立校・私立校の両方)と比較して統計的に算出されます。


2. 全国パーセンタイル順位(National Percentile Ranking, NPR)

もし同年齢のイギリス人学生100人を無作為に選び、成績順に並べた場合、受験生がどの位置にいるかを示します。 例:85th percentile → 上位15%


3. スタナイン(Stanine)評価

NPRをもとに、成績を9段階でランク分けする指標。 1が最も低く、9が最も高い評価です。


4. 平均スコア(2種類)

  • Verbal Reasoningを含む平均

  • Verbal Reasoningを除いた平均

英語力によって全体スコアが過度に影響を受けないよう、両方の平均値が提示されます。


5. 英語力評価(Cambridge English)

  • CEFRレベル(Common European Framework of Reference) 国際的に認められた英語力の指標(A1〜C2)で表記されます。

  • Raw Score(素点):実際に得点した点数も表示されます。


学校向けレポート(School Report)

学校側には、より詳細かつ包括的な情報が提供されます。これは選考やクラス分けの参考資料として用いられます。


学校レポートに含まれる内容:

  • 保護者用レポートの全内容(Profile Report)

  • 登録時に提出した自己紹介動画

  • 国立校/私立校の基準での標準化結果

  • 当日作成された英語エッセイ(手書き) 表現力、構成力、論理性が評価されます。

  • 将来の成績予測(GCSE、A-Level、IBなど)

  • 学習指導上の示唆(Implications for Teaching and Learning)


UKisetは、受験者の学力ポテンシャルを信頼性の高い形式で測定できるツールとして、特に応募数の多い選抜型学校で活用されています。一部の学校では、UKisetのみで選考を行う場合もありますが、多くのケースで二次試験や面接が併用されます。

終わりに

UKisetは、お子様の学力・思考力・英語力を総合的に評価し、英国ボーディングスクールや英国式インターナショナルスクールへの進学を目指すうえで、極めて重要な役割を果たします。単なるテストではなく、進学後の学習環境に適応できる力を測る「将来を見据えた適性検査」として、多くの学校で導入が進んでいます。


EGCIS(イージーシーアイエス)は、英国ボーディングスクール進学やUK式インターナショナルスクールを目指すご家庭のための専門塾・教育コンサルティングサービスです。UKiset対策、エッセイ添削、出願サポート、学校選定にいたるまで、一人ひとりに合わせた丁寧なサポートをご提供しています。




 
 
 

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