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ISEB Common Pre-Testとは?試験内容・対策法を完全解説!

  • 執筆者の写真: egcisjp
    egcisjp
  • 7月14日
  • 読了時間: 8分
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英国のインディペンデントスクール(私立校)への進学プロセスにおいて、「ISEB Common Pre-Test」は、多くの学校が採用する最初の、そして極めて重要な評価ツールです。主にYear 6またはYear 7の生徒が受験するこのオンライン適性試験は、学力だけでなく、将来の学習ポテンシャルを測ることを目的としています。


ISEB Common Pre-Testは、イギリスの名門私立校やインデペンデントスクールの入学選考で使われる適性検査で、学力だけでなく思考力や問題解決力を測るために利用されます。日本の受験生にとっては、英国学校進学への第一歩となる重要な試験です。


本記事では、ISEBの公式情報に基づき、Common Pre-Testの全体像から、各科目の詳細、効果的な対策、そして試験結果がどのように活用されるかまで、保護者の皆さまが知っておくべき全ての情報を、わかりやすく詳細に解説します。


ISEB Common Pre-Testとは何か?

ISEB Common Pre-Testは、Independent Schools Examinations Board (ISEB)が作成・提供する、標準化されたオンラインの適性試験です。多くの名門シニアスクールが、11+または13+の入学選考プロセスの第一段階としてこのテストを利用しています。


その最大の目的は、筆記試験だけでは測りにくい生徒の現在の学力と**学習における潜在能力(ポテンシャル)**を、客観的かつ公平に評価することです。学校側は、このテストの結果を、学校の成績表や推薦状、面接と合わせて総合的に判断し、後の選考ステップに進む生徒や、仮合格(Conditional Offer)を出す生徒を決定します。


試験の基本情報とプロセス

  • 対象年齢: 主に10歳から12歳(Year 6またはYear 7)の生徒が受験します。

  • 実施時期: 通常、Year 6の秋学期からYear 7の春学期にかけて実施されます(10月1日〜翌年6月30日)。受験期間が長いため、シニアスクールの指定する期限内に受験します。

  • 試験形式: すべてオンラインで実施され、選択式(マルチプルチョイス)の問題形式です。受験は柔軟に対応でき、同じ日にまとめて受けることも、複数日に分けて受けることも可能です。

  • 試験時間: 合計で約2時間15分。4つのセクションに分かれており、セクション間に休憩を取ることが可能です。

  • 試験会場: 通常、受験生が在籍している学校、受験を希望するシニアスクール、または認定されたテストセンターで受験します。

  • 受験回数: 1学年(10月1日〜翌年9月30日)につき1回のみ受験可能です。その結果が、Pre-Testを利用する全ての志望校に共有されます。


受験プロセス

  1. シニアスクールへの出願: 保護者の方が、志望するシニアスクールへ出願登録を行います。

  2. Pre-Testの受験登録: 出願したシニアスクールが、保護者に代わってISEBのシステムを通じて受験者を登録します。保護者が直接ISEBに申し込むわけではありません。

  3. 受験の実施: 登録された会場で、監督者の下で試験を受けます。特別な配慮(例:時間の延長)が必要な場合は、登録を行うシニアスクールに事前に申請する必要があります。

管理者用ポータルへのアクセス

ISEBプレテストは、以下の3つの使いやすい管理者用ポータルから運用されています。該当するポータルをクリックして、シニアスクール、監督センター、または保護者アカウントにアクセスしてください。

試験内容と構成

試験は4つのセクションから構成されています。各セクションは個別に時間が設定されています。


Part 1: 英語(English)

このテストは「読解」と「文法」の2つの領域を評価します。

  • 読解 (Reading Comprehension):

    • 300〜500語程度の短い文章(フィクション、ノンフィクション、詩など)が複数提示され、それぞれに多肢選択問題が続きます。

    • 評価されるスキル:

      • 情報の検索: 文章から特定の情報を見つけ出す能力。

      • 推論: 書かれていることから、登場人物の気持ちや作者の意図などを推測する能力。

      • 文脈における単語の意味: 文脈から単語の意味を説明する能力。

      • 言葉の選択による意味の強調: 形容詞の選択や、擬人法・頭韻法・直喩・隠喩といった文学的技法が、どのように意味を強めているかを説明する能力。

      • 要点の要約: 文章の主旨をまとめる能力。

      • 比較: 文章内での比較、登場人物間の比較、文体のフォーマル度の比較などを行う能力。

  • 文法 (Grammar):

    • 語彙、句読点、文法、スペルの知識が評価されます。

    • 語彙: 単語の意味、同族語、接頭辞・接尾辞の知識。

    • 句読点: 句読点の正しい使い方の知識。

    • 文法: 文法的に正しいかの判断(複雑な専門用語の記憶は不要)、名詞・動詞・形容詞・副詞・前置詞の識別、節、フォーマル/インフォーマルな言語、動詞の一致、文構造の知識。

    • スペル: スペルのパターンや一般的な例外単語の知識。


Part 2: 数学(Mathematics)

英国ナショナルカリキュラムのYear 5終了時点までの内容に基づいており、数学的な流暢さと問題解決能力の両方が評価されます。

  • 評価分野:

    • 数と位取り (Number and place value)

    • 計算 (Calculations): 加算、減算、乗算、除算

    • 分数、小数、パーセンテージ (Fractions, decimals and percentages)

    • 測定 (Measurement)

    • 幾何学 (Geometry)

    • 統計 (Statistics)

  • 一部の問題は純粋な計算能力を測り、他の問題はこれらのトピックを複数組み合わせた応用問題となります。


Part 3: 言語的推理(Verbal Reasoning)

言葉、文字、言語に基づいた問題を用いて、理解力、論理的思考力、論理性を測定します。語彙力と定義の知識が評価の中心となります。

  • 評価される能力:

    • 問題解決のテクニック

    • 試行錯誤のスキル

    • 論理的に考える力

    • 適切な解答を認識する力


Part 4: 非言語的推理(Non-Verbal Reasoning)

図形や記号を用いて、論理、クリティカルシンキング、問題解決能力を評価します。各問題の前には、解答方法を説明する指示が表示されます。

  • 問題は2つのタイプに分かれます:

    • 非言語的推理 (Non-Verbal Reasoning): 2Dの図形や記号を分析し、パターン(類似点や相違点、図形の補完、コードとの照合など)を見つけ出します。

    • 空間認識能力 (Spatial Reasoning): 3Dの図形を操作し、異なる視点からそれを視覚化する能力を評価します。

アダプティブ(適応型)形式を理解する

ISEB Common Pre-Testの最大の特徴は、コンピュータ適応型テスト(CAT - Computer Adaptive Test)である点です。

これは、受験者の解答の正誤に応じて、次に出題される問題の難易度が自動的に調整される仕組みです。

  • 正解した場合: 次の問題は少し難しくなります。

  • 不正解だった場合: 次の問題は少し易しくなります。

この形式により、非常に短い時間で、各受験者の能力レベルを正確に測定することが可能になります。重要なのは、前の問題に戻って解答を修正することができないという点です。そのため、一問一問に集中し、慎重に解答することが求められます。

試験結果

試験結果は、合否ではなくSAS (Standardised Age Score) という標準年齢スコアで報告されます。

  • SASとは: 同じ学年(生年月日を考慮)の全国の生徒集団の中で、その生徒がどの位置にいるかを示すスコアです。平均スコアは100に設定されており、スコアの範囲は通常69から141です。

  • スコアの解釈:

    • 100:全国平均

    • 115以上:平均以上

    • 125以上:非常に高い能力

    • 85以下:平均以下

  • また、パーセンタイルランク(PR)やスタナイン(stanine)もSASを基に算出され、スコアを異なる尺度で示します。

  • 学校への報告: 各科目のSASと合計のSASが、出願した全てのシニアスクールに送付されます。保護者や在籍校にはスコアは開示されず、結果はシニアスクールから直接伝えられます。

効果的な対策と学習戦略

Pre-Testは知識だけでなく「スキル」を測る試験ですが、適切な準備をすることでスコアを向上させることが可能です。

  1. 基礎学力の徹底(英語・数学):

    • 英語と数学は、学校のカリキュラム(Key Stage 2)をしっかりと定着させることが最も重要です。苦手分野をなくし、基礎を固めましょう。

    • 多読: 英語の読解力と語彙力を高めるために、様々なジャンルの本を読む習慣をつけましょう。

    • 計算練習: 数学では、正確かつ迅速に計算できる力が不可欠です。日々の練習を怠らないようにしましょう。

  2. 推理問題に慣れる(VR・NVR):

    • 言語的推理と非言語的推理は、学校の授業ではあまり扱われない分野です。専用の問題集などを活用し、様々な問題パターンに触れておくことが非常に有効です。

    • パズルや論理ゲームなども、楽しみながら思考力を鍛えるのに役立ちます。

  3. オンライン形式での練習と慣れ(重要!):

  4. 時間管理の意識:

    • 各セクションには時間制限があります。時間を意識しながら問題を解く練習をし、ペース配分を身につけましょう。ただし、アダプティブ形式のため、焦って見直しのできない解答をするよりは、一問ずつ着実に解くことが重要です。

終わりに

ISEB Common Pre-Testは、英国私立校受験という長い旅の始まりです。この試験は、お子さまのこれまでの学習成果と、これからの可能性を示すためのものです。一夜漬けの知識ではなく、日々の学習で培われた基礎学力と、柔軟な思考力が試されます。


試験の形式をよく理解し、計画的に準備を進めることで、お子さまは自信を持って本番に臨むことができます。このガイドが、そのための確かな一助となることを願っています。


EGCIS(イージーシーアイエス)は、英国ボーディングスクール進学やUK式インターナショナルスクールを目指すご家庭のための専門塾・教育コンサルティングサービスです。ISEB Common Pre-Test対策、Common Entrance対策、エッセイ添削、出願サポート、学校選定にいたるまで、一人ひとりに合わせた丁寧なサポートをご提供しています。


 
 
 

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