英語力を正確に把握!Oxford Placement Test (OPT) 徹底解説ガイド
- egcisjp
- 18 時間前
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大学のクラス分けや語学学校への入学、または企業研修で「Oxford Placement Test (OPT)」の受験を求められ、情報収集をしている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな疑問をすべて解消するために、Oxford Placement Test(オックスフォード・プレイスメント・テスト)の全容を、公式サイトの最新情報に基づき徹底的に解説します。
1. Oxford Placement Testとは何か?
Oxford Placement Test (OPT)、別名 Oxford Online Placement Test (OOPT) は、オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)が開発した、英語を母国語としない人(non-native speakers)向けの英語力測定テストです。
最大の特徴は、CAT (Computer-Adaptive Test) という仕組みを採用している点です。
CAT(コンピュータ適応型テスト)とは?
受験者の解答(正解・不正解)に応じて、次に出題される問題の難易度がリアルタイムで変動するテスト方式です。
正解を続けると、問題は難しくなります。
不正解が続くと、問題は易しくなります。
これにより、従来のテストよりも遥かに短い時間で、受験者の英語力をピンポイントで正確に測定できます。試験中に「急に難しくなった」と感じたら、それはあなたのレベルを正確に測るためにテストが機能している証拠です。
主な目的と特徴
目的: 主に大学や語学学校などの教育機関が、学生を適切なレベルのクラスに振り分ける(Placement)ために使用します。
結果: テスト終了後、即座に結果(スコアレポート)が利用可能になります。
スコアとレポートカード: スコアは2つの指標で示され、詳細なレポートカード(成績証明書)として提供されます。
CEFRレベル: Pre-A1からC2までの国際的な言語基準。
標準スコア: 0点から120点までの数値スコア。
レポートカードに含まれる情報:
総合CEFRレベルと標準スコア
セクションごとの内訳(Use of English / Listening)
各セクションの完了にかかった所要時間
(機関による設定)大学や学校独自のロゴ(ブランディング)をレポートに表示可能
CEFRレベルと標準スコア(0-120点)の詳細
CEFRレベルと標準スコアの対応関係は以下の通りです。B1.1, B1.2のように細かくレベルが分かれているため、より正確なクラス分けが可能になります。
CEFR | 標準スコア (Standardized Score) |
C2.2 | 111-120 |
C2.1 | 101-110 |
C1.2 | 91-100 |
C1.1 | 81-90 |
B2.2 | 71-80 |
B2.1 | 61-70 |
B1.2 | 51-60 |
B1.1 | 41-50 |
A2.2 | 31-40 |
A2.1 | 21-30 |
A1.2 | 11-20 |
A1.1 | 1-10 |
Pre-A1 (High) | 0.7-0.9 |
Pre-A1 (Mid) | 0.4-0.6 |
Pre-A1 (Low) | 0.1-0.3 |
注意点:他の「オックスフォード」テストとの違い
OPTは、名前が似ている他のテストとよく混同されます。
Oxford Test of English (OTE):これは「4技能(スピーキング、リスニング、リーディング、ライティング)」を測定する、より包括的な英語力証明テストです。OPTは「2技能」です。
Oxford Admissions Test (OAT):これはオックスフォード大学(大学そのもの)の学部に出願する際に必要となる「入学試験」の一部です。
今回解説する Placement Test (OPT) は、あくまでクラス分けのための実力診断テストであり、入学試験や4技能試験とは異なることを覚えておいてください。
2. 申込み方法
このテストの最もユニークな点は、その申込み方法です。
結論:個人での申込みはできません。
Oxford Placement Testは、大学、語学学校、企業などの「機関(Institution)」が導入し、学生や従業員に対して実施するB2B(機関向け)のテストです。
したがって、受験までの流れは以下のようになります。
機関がテストを契約: あなたが所属する大学や学校が、OUPと契約してテストの実施を決定します。
管理者(Administrator)が設定: 学校の担当者が、受験者リストを作成し、テストの実施期間などを設定します。
受験者に情報が送付される: 担当者からあなた(受験者)宛に、ログインID、パスワード、および受験用URLが記載されたEメールが送られてきます。
受験: あなたはその情報を使って、指定された期間内にオンラインでテストを受験します。
3. 試験内容と構成

このテストは「英語の運用能力 (Use of English)」と「リスニング (Listening)」の2つのセクションで構成され、個別に採点されます。
セクション1: 英語の運用能力 (Use of English)
パート | 概要 | テストの焦点 | 解答形式 | 設問数 |
Part 1 | フォーム(文法・語彙) 穴埋めの対話文。文法や語彙の知識を使い、4択の選択肢から最も適切なものを選びます。 | 文法形式、 語彙の正確さ | 4択問題 | 10タスク |
Part 2 | 意味(文脈・意図の理解) 短い対話文。話し手の「真の意図」や「暗示されている意味」を、3択の選択肢から選びます。 | 語用論: 明示的・暗示的な 意味の理解 | 3択問題 | 10タスク |
Part 3 | 語彙・文法(タイピング) 長文の穴埋め。文脈に合う適切な単語をキーボードで入力(タイピング)します。スペリングの正確さも求められます。 | 文法形式、 語彙の正確さ | タイピング入力 (A1-C2レベル) 選択式(Pre-A1レベル) | 1タスク (内に5-7問) |
セクション2: リスニング (Listening)
ルール: 各音声は2回まで再生可能です。
パート | 概要 | テストの焦点 | 解答形式 | 設問数 |
Part 1 | 短い対話 2人の話者によるごく短い会話。会話の意図や文脈を理解し、質問に答えます。 | 語用論: 明示的・暗示的な 意味の理解 | 4択問題 | 1パートにつき5タスク (各タスク1〜2問) |
Part 2 | 長めの対話 2人の話者による少し長めの会話。具体的な内容や、話し手の意見・感情を問う質問に答えます。 | 4択問題 | 1パートにつき5タスク (各タスク1〜2問) | |
Part 3 | モノローグ(一人語り) 1人によるスピーチや説明(講義、アナウンスなど)。全体の主旨や詳細を理解しているかを問う質問に答えます。 | 4択問題 | 1パートにつき5タスク (各タスク1〜2問) |
DEMO: 実際の試験形式を体験する
百聞は一見に如かずです。具体的な問題例については、公式のオンラインデモを体験していただくのが最も正確で効果的です。以下のリンクから、Use of EnglishとListeningの各パートがどのような形式で出題されるかを実際に操作しながら確認できます。
Oxford Demo Test 公式オンラインデモはこちら
4. 効率的な対策と戦略的学習計画
OPTは、あなたの「現在のありのままの英語力」を測るテストです。一夜漬けでスコアを劇的に上げるのは難しいですが、形式に慣れ、弱点を補強することで、実力を最大限に発揮することは可能です。
戦略1:CAT(適応型テスト)の心構え
難問を恐れない: テストはあなたの限界レベルを探るため、必ず難しすぎて解けない問題に遭遇します。そこでパニックにならないこと。「これは自分のレベルがB2以上だと判定されている証拠だ」と前向きに捉えましょう。
後戻りはできない: 一度「Next」ボタンを押すと、前の問題に戻ることはできません。解答に迷っても、見直しはできないので、その場で最善の選択をして次に進みましょう。
戦略2:セクション別・重点学習ポイント
上記の詳細な試験構成(セクション3)を踏まえた対策が鍵となります。
Use of English 対策:
「Part 3(タイピング)」を意識した語彙・文法学習: 単語を見て意味がわかる(受動的語彙)だけでは不十分です。文脈に合う単語を自分で思い出し、正確にスペリングできる(能動的語彙)必要があります。
対策: 単語帳学習時に、必ず例文で覚え、手で書くかタイピングしてスペルを確認しましょう。特に「前置詞」「句動詞」「時制」は狙われやすいため、基礎文法書で空所補充問題を徹底的に解いてください。
「Part 2(語用論)」を意識した文脈読解: "Why don't you...?" が「なぜしないの?」という非難ではなく、「〜してはどう?」という提案であるように、言葉の表面的な意味ではなく、文脈上の「語用論的な(Pragmaticな)意味」を理解する練習が効果的です。
対策: 映画やドラマの短い会話クリップを見て、「この人は今、何を提案した?」「なぜこのタイミングでこのセリフを言った?」と考える訓練をしましょう。
Listening 対策:
「意図」と「文脈」を聞き取る訓練: Part 1, 2, 3すべてで「語用論(Pragmatics)」が問われます。単語を一つひとつ聞き取る「ディクテーション」も大事ですが、それ以上に「話し手が賛成しているか、反対しているか」「不満を言っているか、感謝しているか」といった、会話の「目的」や「話者の感情」を聞き取る練習が重要です。
対策: BBC Learning Englishの "6 Minute English" や、TED Talksなど、様々なアクセントやトピックの教材を使い、「話の要点は何か」を掴む練習をしましょう。
「2回再生」の戦略を立てる: 音声は2回聞けますが、試験時間(最大60分)は有限です。全ての音声を2回ずつ聞いていると、Use of Englishセクションの時間がなくなる可能性があります。自信がある問題は1回で済ませ、難しい問題に2回目の再生を使うなど、メリハリをつけましょう。
まとめ
Oxford Placement Test (OPT) は、あなたの英語力を迅速かつ正確に診断するための優れたツールです。個人では申し込めず、所属機関から案内が来るという点に注意し、試験本番ではCATシステムの特性(難易度変動・後戻り不可)を理解してリラックスして臨みましょう。
対策の鍵は、試験形式(特にPart 2の語用論とPart 3のタイピング)を正確に理解し、基礎的な文法・語彙を確実に定着させることです。このガイドが、あなたの実力を100%発揮するための一助となれば幸いです。
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