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IBDP CAS完全ガイド:高評価を取るための活動例30選とリフレクションの書き方

国際バカロレア(IB)ディプロマプログラム(DP)の中心的なコア要件であるCAS(Creativity, Activity, Service)

CASには最終的な試験やスコア(点数)はありませんが、DP取得のためには「合格(Pass)」が絶対条件となる非常に重要な要素です。18ヶ月間にわたって継続的に活動を行い、自身の成長を記録するこのプログラムは、「何をしていいか分からない」「リフレクション(振り返り)が書けない」と悩むIB生が後を絶ちません。

本記事では、CASの3つの要素(創造性・活動・奉仕)の基本概念とともに、評価に直結する具体的な活動例30選、そして高評価を得るための「リフレクションの書き方」を徹底解説します。

CAS(創造性・活動・奉仕)とは?

CASは、生徒が学業(教室内の学習)から離れ、実社会での体験を通じて人間的に成長することを目的とした18ヶ月間の継続的なプログラムです。以下の3つの柱から構成されています。

要素意味と定義
Creativity(創造性)独自のアイデアを探求し、オリジナルの製品やパフォーマンスを創り出す活動。(芸術、音楽、デザイン、プログラミングなど)
Activity(活動)健康的なライフスタイルに貢献する、身体的な運動を伴う活動。(スポーツ、フィットネス、アウトドア活動など)
Service(奉仕)地域社会の真のニーズ(Authentic Need)に応え、他者と協働して貢献する無償の活動。(ボランティア、募金、啓発活動など)

【CASプロジェクトの必須要件】

18ヶ月の期間中に、最低1つは「CASプロジェクト」を実施する必要があります。これは、1ヶ月以上継続し、複数のCAS要素(例:Creativity + Serviceなど)を組み合わせ、チームで協働して取り組む大規模な活動を指します。

1. Creativity(創造性)の活動例10選

Creativityは、単に「絵を描く」「楽器を弾く」といった芸術活動にとどまりません。クリエイティブな思考を使って問題を解決したり、新しいスキルを習得したりすることも高く評価されます。

  1. 新しい言語の独学: 手話や、学校で提供されていない言語(韓国語、フランス語など)をアプリや本を使って独学し、成果を発表する。
  2. デジタルメディアの運営: 学校新聞、ブログ、またはポッドキャストを立ち上げ、定期的に記事やエピソードを配信する。
  3. アプリやウェブサイトの開発: 地域のボランティア団体や学校のクラブのために、コーディングを学んでウェブサイトを構築する。
  4. オリジナル楽曲の作曲: 新しい楽器(ギターやピアノ)を習得し、最終的に自作の曲を作って録音または披露する。
  5. 演劇・ショートフィルムの制作: クラスメイトを集めて脚本から執筆し、短編映画や舞台劇を監督・撮影する。
  6. 写真ポートフォリオと展示会の開催: 特定のテーマ(例:地域の自然、都市の風景)で写真を撮り溜め、校内で写真展を企画する。
  7. 多国籍料理の探求とレシピブログ: 毎週異なる国の料理に挑戦し、その歴史的背景とともにオリジナルレシピをブログで公開する。
  8. ディベートや模擬国連(MUN)での活動: 大会に向けてリサーチを行い、説得力のあるスピーチ原稿や決議案をゼロから作成する。
  9. イベントのデザイン広報: 学校の文化祭やスポーツ大会のためのポスター、ロゴ、SNS用マーケティング素材をデザインする。
  10. クリエイティブ・ライティング: 詩集や短編小説を執筆し、最終的にセルフパブリッシング(自己出版)やコンテストへの応募を行う。

2. Activity(活動)の活動例10選

Activityの目的は「健康的なライフスタイルの維持」です。すでに得意なスポーツを続けるだけでなく、「新しいスポーツへの挑戦」や「明確な目標設定」が評価の鍵となります。

  1. マラソン大会への挑戦: 10kmマラソンやハーフマラソンへの出場を目標に、数ヶ月間のトレーニングメニューを作成し実行する。
  2. 新しいスポーツチームへの参加: これまで経験のないスポーツ(バスケットボール、サッカー、バレーボールなど)のローカルクラブや部活に入部する。
  3. ヨガ・ピラティスのルーティン構築: 毎朝のヨガプログラムを計画し、自身の柔軟性やストレス軽減の経過を記録する。
  4. アウトドア・サバイバルスキル: 定期的な登山やハイキングを実施し、ルートプランニングや読図スキルを身につける。
  5. ボルダリング・ロッククライミング: 週1回ジムに通い、クリアできる難易度(グレード)の向上を目標に身体を鍛える。
  6. ダンスの振り付けとパフォーマンス: ヒップホップやコンテンポラリーダンスを練習し、文化祭やタレントショーで披露する。
  7. 水泳のタイム・フォーム改善: 単に泳ぐだけでなく、「クロールで1kmを○分で泳ぐ」といった具体的な目標を設定して定期的にプールに通う。
  8. 武道の習得: 空手、柔道、テコンドーなどの道場に通い、昇級(帯の色を上げる)を目指して稽古に励む。
  9. 校内スポーツ大会の企画・運営: (※Creativityとの組み合わせ)ドッジボールやフットサルなどの校内トーナメントを主催し、自らも審判や選手として参加する。
  10. フィットネスインストラクター: 下級生向けに放課後のストレッチ教室や軽いフィットネスセッションを企画・指導する。

3. Service(奉仕)の活動例10選

Serviceは、単にお金を寄付するだけでなく、「コミュニティと直接関わり、共に解決策を探る(協働)」姿勢が重視されます。相手の真のニーズを理解することが重要です。

  1. 地域の環境浄化活動: ビーチクリーンや地域の公園のゴミ拾いを定期的に行い、集めたゴミのデータを環境団体に報告する。
  2. 下級生への学習支援(チューター): 放課後に、数学や英語が苦手な下級生に対して、無償で勉強を教える学習支援プログラムを実施する。
  3. 動物保護施設でのボランティア: 地域のシェルターで犬の散歩やケージの掃除を手伝い、保護動物の現状について啓発活動を行う。
  4. 高齢者へのデジタルリテラシー支援: 地域の老人ホームやコミュニティセンターで、スマートフォンの使い方やLINEの送り方を教える教室を開く。
  5. フードバンクや炊き出しの支援: 地域のフードバンクで食品の仕分けやパッケージングを行い、貧困問題について学ぶ。
  6. チャリティ募金キャンペーンの主催: 特定の世界的課題(災害支援、教育支援など)のための募金活動を校内で企画し、NGOに寄付する。
  7. 不要品の回収ドライブ: 着なくなった衣服や読み終わった本を校内で集め、必要としている施設や途上国支援団体に送る。
  8. 翻訳・通訳ボランティア: 自分の言語スキルを活かし、地域の外国人住民向けに市役所の案内やニュースを翻訳して配布する。
  9. コミュニティガーデン(菜園)の運営: 学校の空きスペースや地域の農園で野菜を育て、収穫物を地域の食堂などに寄付する。
  10. 病院でのレクリエーション支援: 小児病棟やリハビリ施設を訪問し、子供たちに絵本を読み聞かせたり、折り紙などのアクティビティを提供する。

4. 評価を分ける「Reflection(リフレクション)」の書き方

CASにおいて、「活動そのもの」よりも重要なのが「リフレクション(振り返り)」です。IBOは「リフレクションのない活動はCASとは認めない」と明言しています。

必須となる「7つの学習成果(Learning Outcomes)」

CASをパスするためには、18ヶ月間のリフレクション全体を通じて、以下の7つの学習成果(LO)をすべて達成・証明する必要があります(1つの活動ですべてを満たす必要はありません)。

  1. 自己の長所と成長分野の特定(自分の得意・不得意に気づいたか)
  2. 挑戦と新しいスキルの習得(コンフォートゾーンを抜け出したか)
  3. 活動の計画と実行(ゼロから企画し、実行に移せたか)
  4. 継続的なコミットメント(途中で投げ出さず、粘り強く取り組んだか)
  5. 他者との協働(チームで協力し、意見の衝突をどう乗り越えたか)
  6. 世界的課題への関与(ローカルな活動が、環境問題などのグローバルな課題とどう繋がっているか)
  7. 倫理的選択への配慮(活動における自分の行動や決断が、道徳的に正しかったか)

高評価を得るリフレクションの3段構成

単なる「日記(〜をして楽しかった)」ではなく、深く内省する文章を書くためには、以下の構成を意識してください。

① What(何をしたか? / 客観的事実)

  • その活動で具体的に何に取り組んだのか。
  • どのような困難や予期せぬトラブルが発生したか

② So What(どう感じ、どう考えたか? / 感情と分析)

  • トラブルに対してどう感じたか? なぜその解決策を選んだのか?
  • 他者(チームメンバーや奉仕の対象者)との関わりの中で、自分の価値観や考え方にどのような変化があったか。

③ Now What(次へどう活かすか? / 成長と応用)

  • この活動を通じて、7つの学習成果(LO)のどれを達成したか。
  • ここで得たスキルや気づきを、今後の人生や他の学びにどう応用していくか。

【アドバイス】

リフレクションは文章(テキスト)である必要はありません。活動の様子を撮影した写真、動画(Vlog形式)、音声メモ、ブログ、絵など、多様なフォーマット(エビデンス)でポートフォリオに残すことが推奨されています。

まとめ

CASは、大学受験のための単なる「課外活動の実績作り」ではなく、あなた自身の人間性を豊かにし、将来社会に出たときに必要とされる「行動力」と「共感力」を養うための最高の機会です。

活動を選ぶ際は、「大学受けしそうか」ではなく「自分が本当に情熱を持てるか」「少し背伸びをした挑戦になるか」を基準に選んでください。そして、活動の中で感じた挫折や葛藤を、正直にリフレクションに書き残すことが、CASを成功させる最大の秘訣です。

もし、CASのプロジェクトの立ち上げや、IB全体のタイムマネジメント、大学出願へのアピール方法に不安がある場合は、専門家のサポートを活用して乗り切りましょう。

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