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IB・British・American Curriculum、結局何が違う?選び方完全ガイド

目次

一言で「インター」と言っても、カリキュラムで学校生活はまったく違う

「インターナショナルスクールに通わせたい」と考えたとき、多くの保護者の方が最初につまずくのが「カリキュラムの違い」です。学校説明会では「IB」「IGCSE」「A-Level」「AP」「Year 7」「Grade 7」など聞き慣れない用語が飛び交い、何がどう違うのか分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。インターナショナルスクールは、採用しているカリキュラムによって、授業の進め方、評価方法、試験の時期、学年の呼び方、そして卒業後の進路の選択肢まで大きく変わります。

同じ「英語で学ぶ学校」でも、IB校では探究型のプロジェクトや論文に取り組み、イギリス式の学校では全国統一の外部試験に向けて体系的に学び、アメリカ式の学校では日々の課題やテストの積み重ね(GPA)が重視される、というように学校生活そのものが異なります。本記事では、日本のインターナショナルスクールで主に採用されている「IB(国際バカロレア)」「イギリス式(British)」「アメリカ式(American)」の3つのカリキュラムについて、IB機構、ケンブリッジ大学国際教育機構、英国政府、College Board、文部科学省などの公式情報をもとに、違いを分かりやすく整理します。お子様に合った学校選びの参考にしてください。

3つのカリキュラムの違い(比較マトリックス)

まずは全体像を比較表で確認しましょう。

比較項目IB(国際バカロレア)イギリス式(British)アメリカ式(American)
運営・基準国際バカロレア機構(本部:ジュネーブ)英国(イングランド)のナショナル・カリキュラムがベース米国の教育制度がベース(全国一律の統一カリキュラムはない)
対象年齢3〜19歳(PYP・MYP・DP・CP)Reception〜Year 13Pre-K/Kindergarten〜Grade 12
学びの特徴探究型・教科横断型・概念理解を重視体系的・段階的に専門性を深める幅広い科目選択と柔軟性
主な資格・試験IBディプロマ(DP)IGCSE(Year 10〜11)、A-Level(Year 12〜13)高校卒業資格(Diploma)、APコース・AP試験
評価方法内部評価+外部評価(最終試験)外部試験の結果が中心日常の課題・テストの積み重ね(GPA)が中心
高校段階の科目数6科目+コア(TOK・EE・CAS)A-Levelは3〜4科目に絞るのが一般的必修+選択科目を多数履修
向いている子好奇心旺盛で、考えを言葉にするのが好きな子得意分野を深く掘り下げたい子幅広く挑戦しながら進路を決めたい子

※上記は一般的な傾向です。同じカリキュラムでも学校ごとに運用は異なります。

学年の対応表(日本・イギリス式・アメリカ式・IB)

インター選びで混乱しやすいのが「学年の呼び方」です。以下はおおよその目安です。

日本の学年年齢の目安イギリス式アメリカ式IBプログラム
年長5〜6歳Year 1KindergartenPYP
小学1年6〜7歳Year 2Grade 1PYP
小学2年〜小学5年7〜11歳Year 3〜Year 6Grade 2〜Grade 5PYP
小学6年11〜12歳Year 7Grade 6MYP(MYP1)
中学1年〜中学3年12〜15歳Year 8〜Year 10Grade 7〜Grade 9MYP(MYP2〜4)
高校1年15〜16歳Year 11Grade 10MYP(MYP5)
高校2年〜高校3年16〜18歳Year 12〜Year 13Grade 11〜Grade 12DP/CP

※日本は4月始まり、多くのインターナショナルスクールは8月〜9月始まりのため、誕生日や各校の学年区分の基準日によって1学年ずれる場合があります。必ず志望校に確認してください。※IBのMYP・DPの学年配置は学校によって異なることがあります。

1. IB(国際バカロレア):探究型・総合的な思考力を育む

IBとは

IB(International Baccalaureate/国際バカロレア)は、スイス・ジュネーブに本部を置く国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラムです。文部科学省の資料によると、課題論文や批判的思考、幅広い知識の探究といった特色あるカリキュラムと、双方向・協働型の授業によってグローバル化に対応した資質を育てるプログラムとされており、2023年3月時点で世界約160の国・地域の5,600校以上で実施されています。IBは特定の国のカリキュラムではないため、「どの国の大学にも進学しやすい国際的な教育」として位置づけられているのが大きな特徴です。

IBの4つのプログラム

IB機構は、年齢段階に応じて次の4つのプログラムを提供しています。対象年齢は、PYPが3〜12歳、MYPが11〜16歳、DPが16〜19歳、CPが16〜19歳です。

プログラム正式名称対象年齢主な特徴
PYPPrimary Years Programme(初等教育プログラム)3〜12歳教科の枠を超えたテーマで探究する「教科横断型」の学び
MYPMiddle Years Programme(中等教育プログラム)11〜16歳教科の学びを実社会と結びつける。最終学年に「パーソナル・プロジェクト」
DPDiploma Programme(ディプロマ・プログラム)16〜19歳2年間の大学準備課程。国際的に通用する大学入学資格(IBディプロマ)を取得可能
CPCareer-related Programme(キャリア関連プログラム)16〜19歳DP科目とキャリア関連学習を組み合わせたプログラム

なお、すべてのIB校が4つのプログラムをすべて提供しているわけではありません。「PYPのみ」「DPのみ」という学校もあるため、お子様が在籍する学年でどのプログラムが提供されているかを必ず確認しましょう。

PYP(初等教育プログラム)の特徴

PYPの特徴は「教科横断型(Transdisciplinary)」の学びです。国語・算数・理科といった教科ごとに区切るのではなく、ひとつのテーマについて複数の教科の視点から探究していきます。子どもたちは自ら問いを立て、調べ、話し合い、発表するというサイクルを繰り返します。PYPの最終学年には「エキシビション(Exhibition)」と呼ばれる集大成の探究発表に取り組むのが一般的です。

MYP(中等教育プログラム)の特徴

MYPでは、言語と文学、言語習得、個人と社会、理科、数学、芸術、保健体育、デザインといった教科グループを学びながら、学んだ内容を実社会の課題と結びつけて考える力を育てます。最終学年では、生徒が自分でテーマを決めて取り組む「パーソナル・プロジェクト」があり、計画・実行・振り返りの力が問われます。

DP(ディプロマ・プログラム)の仕組み

大学進学に直結するのがDPです。IB機構の公式情報によると、DPのカリキュラムは6つの教科グループと、TOK(知の理論)、CAS(創造性・活動・奉仕)、EE(課題論文)からなる「コア」で構成されています。

DPの6つの教科グループは以下の通りです。

  1. 言語と文学(母語での文学・言語学習)
  2. 言語習得(外国語の学習)
  3. 個人と社会(歴史、経済、地理、心理学、ビジネスなど)
  4. 理科(生物、化学、物理など)
  5. 数学
  6. 芸術(音楽、美術、演劇など)

生徒は各グループから原則1科目ずつ、合計6科目を履修します(芸術の代わりに他グループから2科目目を選ぶことも可能です)。各科目は上級レベル(HL:Higher Level)と標準レベル(SL:Standard Level)に分かれており、一般的にはHLを3〜4科目、残りをSLで履修します。

DPのコア(必修要素)は次の3つです。

  • TOK(Theory of Knowledge/知の理論):「私たちはどのようにして物事を知るのか」を問い、知識の本質について批判的に考える科目です。
  • EE(Extended Essay/課題論文):生徒が自分で選んだテーマについて、最大4,000語の研究論文を書きます。
  • CAS(Creativity, Activity, Service/創造性・活動・奉仕):芸術活動、スポーツなどの身体活動、地域貢献などの奉仕活動に継続的に取り組みます。

DPのスコアと取得条件

DPの成績評価は次のように決まります。各科目は1〜7の7段階で評価され、TOKとEEの組み合わせで最大3点が加算されます。最高点は45点(6科目×7点+コア3点)で、ディプロマの取得には最低24点と所定の条件を満たす必要があります。また、CASは点数には含まれませんが、認定された参加実績がディプロマ授与の要件であり、CASの要件を満たさない場合はディプロマが授与されません。さらに、TOKやEEで最低評価の「E」がついた場合なども、ディプロマは授与されません。つまり、「24点を取れば必ず合格」ではなく、コアを含めたプログラム全体でバランスよく成果を出すことが求められます。

評価は最終試験(外部評価)だけでなく、在学中に取り組むレポートや口頭発表などの内部評価(Internal Assessment)も組み合わせて行われます。最終試験は一般的に5月(一部地域は11月)に実施されます。

日本におけるIB

日本では、IB校はインターナショナルスクールだけでなく、学校教育法第1条に定める「一条校」(日本の正規の学校)にも広がっています。文部科学省の資料によれば、DPは原則として英語、フランス語、スペイン語で実施されますが、一部の科目では日本語での実施(日本語DP)も可能です。そのため「日本の高校卒業資格とIBディプロマを同時に目指せる一条校」という選択肢もあります。国内のIB認定校の最新一覧は、文部科学省IB教育推進コンソーシアムの公式サイトで確認できます。

IB校に向いている子・相性に注意が必要な子

IBは評価がプロジェクト・論文・発表など多面的であるため、お子様の性格や学び方との相性が大切です。

向いている子相性に注意が必要な子
「なぜ?」と疑問を持ち、自分で調べるのが好き決まった答えを効率よく覚えるほうが得意
自分の意見を言葉や文章で表現するのが好き人前での発表や議論に強い苦手意識がある
グループでの話し合いや協働作業を楽しめる一人で黙々と取り組むスタイルを好む
文系・理系に偏らず幅広く学びたい特定の分野だけを早い段階から深く学びたい
長期の課題を計画的に進められる(または進める力を伸ばしたい)締め切りの多い課題の管理に大きなストレスを感じる

ただし、「相性に注意が必要」とした特徴があるからといってIBが不可能というわけではありません。IBは学びの過程を通じて表現力や自己管理能力を育てることも目的としており、入学後のサポート体制が整っている学校も多くあります。学校見学の際には、授業の様子や課題の量、サポート体制について具体的に質問してみましょう。

関連記事:

  1. 国際バカロレア(IB)とは何か?
  2. 国際バカロレア(IB)初等教育プログラム(PYP)完全ガイド
  3. 国際バカロレア(IB)中等教育プログラム(MYP)完全ガイド
  4. 国際バカロレア(IB)ディプロマ・プログラム(DP)完全ガイド
  5. 【最新版】日本国内のIB(国際バカロレア)認定校一覧

2. イギリス式(British):Year 1〜13、IGCSE・A-Levelの体系

イギリス式カリキュラムの基本構造

イギリス式のインターナショナルスクールは、主に英国イングランドのナショナル・カリキュラムをベースにしています。英国政府の公式サイトによると、ナショナル・カリキュラムは「Key Stage(KS)」と呼ばれる学年のまとまりで構成されており、各Key Stageの終わりに教員が子どもの到達度を正式に評価します。

段階学年年齢の目安主な内容
EYFS(Early Years Foundation Stage)Nursery・Reception3〜5歳遊びを通じた幼児教育
Key Stage 1Year 1〜25〜7歳読み書き・算数の基礎
Key Stage 2Year 3〜67〜11歳初等教育の総仕上げ
Key Stage 3Year 7〜911〜14歳中等教育の基礎、幅広い教科
Key Stage 4Year 10〜1114〜16歳IGCSE(GCSE)に向けた学習
Key Stage 5(Sixth Form)Year 12〜1316〜18歳A-Level(またはIBDP)に向けた専門的学習

なお英国政府も、アカデミーや私立学校などはナショナル・カリキュラムに従う義務がないとしています。そのため、海外のイギリス式インターナショナルスクールでは、ナショナル・カリキュラムを基盤としながらも、各校が独自にアレンジしているケースが一般的です。

IGCSE(Year 10〜11)

IGCSE(International General Certificate of Secondary Education)は、英国の中等教育修了資格であるGCSEの国際版で、主にYear 10〜11の2年間で学び、Year 11の終わりに外部試験を受けます。科目ごとに試験を受け、それぞれ個別に成績がつきます。

成績の付け方には2種類あります。ケンブリッジ大学国際教育機構(Cambridge International)によると、Cambridge IGCSEはA*〜Gの評価で採点されます。一方、イングランドのGCSEは2017年8月から9〜1の評価に移行しており、9が最高評価です。Cambridge IGCSEでも一部の地域・科目では9〜1評価を選択できます。また、9〜1評価の7・4・1の基準は、A*〜G評価のA・C・Gの基準と同じ水準に設定されています。ケンブリッジ大学国際教育機構は、どちらの評価方式であっても大学は入学要件を一貫して扱い、生徒は平等に扱われると大学側から説明を受けているとしています。

A-Level(Year 12〜13)

A-Level(Advanced Level)は、Year 12〜13(Sixth Form)の2年間で学ぶ大学入学準備課程で、英国の大学入試で最も一般的に使われる資格です。最大の特徴は、科目数を3〜4科目程度に絞って深く学ぶ点です。例えばケンブリッジ大学は、標準的な合格条件はYear 13で3科目のA-Levelを履修することを前提としており、多くの志願者はYear 12〜13で3〜4科目を学んでいるとしています(ただし、この記述は第三者サイト経由の情報のため、詳細はケンブリッジ大学公式サイトでご確認ください)。

成績評価について、ケンブリッジ大学国際教育機構は、Cambridge International A LevelはA*(最高)〜E(合格最低ライン)で評価され、AS LevelにはA*がなくA〜Eで評価されるとしています。AS Levelは、A-Levelの前半部分に相当する資格です。

試験ボード(試験実施団体)

イギリス式の大きな特徴は、学校の外にある「試験ボード」が作成・採点する統一試験で成績が決まる点です。海外のインターナショナルスクールでは、主に次の試験ボードの試験が使われています。

  • Cambridge International(ケンブリッジ大学国際教育機構)
  • Pearson Edexcel(ピアソン・エデクセル)
  • OxfordAQA(オックスフォードAQA)

どの試験ボードを採用しているかは学校によって異なります。また、イギリス式の学校でも、Year 12〜13ではA-LevelではなくIBDPを採用している学校もあるため、高校段階のカリキュラムは必ず個別に確認しましょう。

イギリス式に向いている子

  • 好きな分野・得意分野がはっきりしていて、深く掘り下げたい子
  • 明確な目標(試験)に向けてコツコツ準備するのが得意な子
  • 体系的に積み上げていく学習スタイルが合う子
  • 将来、英国をはじめとする英連邦圏の大学進学を視野に入れている子

一方、A-Levelでは早い段階で科目を絞るため、進路がまだ定まっていない場合は科目選択に慎重な検討が必要です。特に大学の学部によっては特定のA-Level科目を必須とすることがあるため、Year 11の段階で将来の進路を意識した科目選びが重要になります。

関連記事:

  1. A-levelsとは?
  2. イギリスカリキュラム完全ガイド:EYFS・IGCSE・Aレベルまで徹底解説
  3. IGCSEのすべて:科目・採点・進路を徹底解説する完全ガイド

3. アメリカ式(American):APコース、柔軟性と選択の自由度

アメリカ式カリキュラムの基本構造

アメリカ式のインターナショナルスクールは、米国の教育制度をベースにしています。学年はKindergarten(幼稚園年長相当)からGrade 12までの「K-12」と呼ばれる体系で、一般的に次のように区分されます(学校によって区切り方は異なります)。

段階学年年齢の目安
Elementary School(小学校)Kindergarten〜Grade 55〜11歳
Middle School(中学校)Grade 6〜811〜14歳
High School(高校)Grade 9〜1214〜18歳

米国には英国のような全国統一のカリキュラムや全国統一の卒業試験がなく、州や学校ごとに基準が定められています。海外のアメリカ式インターナショナルスクールも、米国の州基準などを参考にしながら各校が独自のカリキュラムを編成しています。

単位制・GPAによる継続的な評価

アメリカ式の高校(Grade 9〜12)は単位制で、英語・数学・理科・社会などの必修科目に加え、多くの選択科目から自分で履修科目を選びます。卒業に必要な単位数や必修科目は学校ごとに定められています。

評価の中心となるのが「GPA(Grade Point Average)」です。日々の課題、小テスト、定期試験、授業への参加などの積み重ねが各科目の成績となり、その平均がGPAとして算出されます。IBやイギリス式のように「最終試験の一発勝負」ではなく、日常の努力がそのまま成績に反映される点が大きな特徴です。そのため、高校1年目(Grade 9)からの成績がすべて大学出願時の成績証明書(トランスクリプト)に記載されることを意識する必要があります。

APコース(Advanced Placement)

アメリカ式の学校で、大学レベルの学習に挑戦する仕組みが「AP(Advanced Placement)」です。APは米国の非営利団体College Boardが運営するプログラムで、高校在学中に大学初年次レベルの科目を学び、毎年5月に実施されるAP試験を受験します。College Boardによると、AP試験は大学教員と経験豊富な教員によって1〜5の5段階で採点され、多くの大学が3以上のスコアに対して単位認定や上級コースへの配置を行っています。APのコース・試験は合計41科目(College Board国際向けページの記載による。科目数は年度によって変動します)が用意されています。

APの特徴は、IBディプロマのような「パッケージ型」ではなく、得意な科目や興味のある科目を1科目単位で選んで挑戦できる点です。たとえば「理系科目はAPで深く学び、それ以外は通常の科目で学ぶ」といった柔軟な組み合わせが可能です。ただし、学校によって提供しているAP科目の数や種類は大きく異なり、APを提供せず「Honors(上級)クラス」で対応する学校や、高校段階でIBDPを採用している学校もあります。

アメリカ式に向いている子

  • 興味の幅が広く、さまざまな科目に挑戦しながら進路を考えたい子
  • 一度の試験より、日々の努力を積み重ねるほうが力を発揮できる子
  • スポーツ、芸術、ボランティアなど課外活動にも積極的に取り組みたい子
  • 将来、米国の大学進学を視野に入れている子

一方、GPAは日常の成績の積み重ねで決まるため、提出物の管理や定期的な学習習慣が欠かせません。「試験直前に集中して頑張る」タイプのお子様は、早い段階から日々の学習リズムを整えることが大切です。

関連記事:

  1. 日本のインターナショナルスクールのアメリカカリキュラム完全ガイド|仕組み・科目・資格
  2. AP (Advanced Placement) とは?

4. 大学受験(国内・海外)における各カリキュラムのメリット・デメリット

日本の大学を受験する場合:まず「大学入学資格」を確認する

日本の大学を受験する場合、最も重要なのは「その学校を卒業すると、日本の大学入学資格が得られるか」という点です。日本国内にあるインターナショナルスクールの多くは一条校ではないため、卒業しても自動的に「日本の高校卒業」と同等にはなりません。文部科学省は、日本の大学入学資格として、国際バカロレア、アビトゥア、バカロレア、GCE Aレベル、国際Aレベル、欧州バカロレアの資格を保有する者、そして国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSI、NEASC、Cognia、COBIS)の認定を受けた教育施設の12年の課程を修了した者などを定めています。

これを各カリキュラムに当てはめると、次のようになります。

カリキュラム日本の大学入学資格を得る主なルート注意点
IBIBディプロマ(IB資格)の取得ディプロマを取得できなかった場合は、在籍校が国際的な評価団体の認定校かどうかが重要になる
イギリス式GCE Aレベル資格・国際Aレベル資格の取得IGCSEのみでは大学入学資格にならない
アメリカ式在籍校が国際的な評価団体(WASC・CIS・Cognia等)の認定校であること米国式の高校卒業資格(Diploma)自体は資格リストにないため、学校の認定状況の確認が必須

特にアメリカ式の学校を検討する場合は、学校の公式サイトで「Accreditation(認定)」の欄を確認し、WASCやCISなどの認定を受けているかを必ずチェックしましょう。また、海外の学校を卒業した場合は、日本の12年の課程に相当するかどうかなど、別の要件が適用されることもあります。

IB:日本の大学入試で活用の場が広がっている

国内大学入試において、近年特に活用の場が広がっているのがIBです。文部科学省IB教育推進コンソーシアムが2026年8月に公開した資料では、IBを活用した国内大学入試を実施している大学は計84大学で、そのうち全学部で実施しているのが39大学、一部学部で実施しているのが45大学とされています。この中には、東京大学、京都大学、大阪大学、北海道大学、東北大学、九州大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、国際基督教大学なども含まれています。ただし、各大学のIB入試で求められるスコアや科目条件、募集人数は大学・学部によって大きく異なるため、必ず各大学の最新の募集要項を確認してください。

帰国生入試・総合型選抜などの出願資格に注意

日本国内のインターナショナルスクールに通っている場合、「帰国生入試」の出願資格を満たさないことがある点に注意が必要です。帰国生入試の多くは、海外での在住年数や海外の学校での在籍期間を条件としているためです。一方で、国内のインターナショナルスクール卒業生向けの出願ルートを設けている大学もあります。例えば早稲田大学国際教養学部は、文部科学省が認める国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSI、NEASC、Cognia、COBIS)の認定を受けた日本国内のインターナショナルスクールの卒業生(見込み含む)は、4月入学の国外選考と9月入学選考に出願できると案内しています。このように、出願できる入試区分は大学・学部によって異なるため、志望校が決まったら早めに募集要項を確認しましょう。

また、多くのインターナショナルスクールは6月頃に卒業を迎えるため、4月入学の日本の大学とは時期がずれます。9月入学制度のある大学・学部を検討するなど、スケジュール面の計画も重要です。

海外大学(イギリス)を受験する場合

英国の大学には、UCAS(英国の大学出願の統一機関)を通じて出願します。英国の大学では、出願時の「予想成績(Predicted Grades)」をもとに条件付き合格(Conditional Offer)が出され、最終成績が条件を満たせば入学が確定する仕組みが一般的です。A-LevelとIBディプロマはどちらも広く受け入れられています。

例として、ケンブリッジ大学の数学科では、UCASのページでIBの場合は41〜42点、HLで7・7・6が最低ラインのオファー水準と示されています。また、ケンブリッジ大学の学部案内によると、IBの標準的なオファーは45点中40〜42点で、HL科目で776または777とされています。A-Levelの場合は、学科によってAAAやAA*Aが標準的な条件として示されています。英国の大学では学部ごとに必須科目(例:数学科ならA-Level MathematicsやIB数学HLなど)が指定されることが多いため、科目選択の段階から志望学部の要件を確認することが重要です。

海外大学(アメリカ)を受験する場合

米国の大学入試は「総合評価(Holistic Admissions)」が特徴で、成績(GPA)だけでなく、履修科目の難易度、エッセイ、推薦状、課外活動、そして大学によってはSATやACTなどの標準テストのスコアを総合的に評価します(標準テストの提出方針は大学ごとに異なり、年度によっても変更されるため要確認です)。アメリカ式の学校でAPを履修していれば、難易度の高い科目に挑戦した証明になり、AP試験の結果によっては大学入学後に単位認定を受けられる場合もあります。IBディプロマやA-Levelの成績も米国の大学で評価され、大学によってはIBのHL科目などで単位認定を行うところもあります。

大学受験から見た各カリキュラムのメリット・デメリット

カリキュラムメリットデメリット・注意点
IB・国内84大学でIBを活用した入試が実施されている・英国、米国、その他多くの国の大学で広く評価される・論文作成や探究の経験が大学での学びに直結しやすい・6科目+コアの負担が大きく、時間管理が求められる・ディプロマ取得には全体のバランスが必要・国内大学のIB入試は大学・学部ごとに条件が大きく異なる
イギリス式・A-Levelは日本の大学入学資格として認められている・英国大学への進学で最も一般的なルート・得意科目に集中して高い成績を狙いやすい・早い段階で科目を絞るため、進路変更がしにくい・最終試験の結果に左右されやすい・IGCSEのみでは日本の大学入学資格にならない
アメリカ式・米国大学への進学に直結しやすい・科目選択の自由度が高く、進路を柔軟に考えられる・APで得意分野の学力を示せる・日本の大学入学資格は在籍校の認定状況に依存する・高校1年からの成績がすべて評価対象になる・学校によってAP科目の提供数に大きな差がある

まとめ:お子様の性格と将来の進路に合わせたカリキュラムの選び方

IB、イギリス式、アメリカ式には、それぞれに異なる強みがあり、「どれが一番優れている」というものではありません。大切なのは、お子様の性格や学び方、そして将来の進路の方向性に合ったカリキュラムを選ぶことです。

性格・学び方から考える

お子様のタイプ相性の良いカリキュラムの目安
好奇心旺盛で、議論や発表が好き。幅広く学びたいIB
得意分野がはっきりしていて、深く掘り下げたい。試験に向けてコツコツ努力できるイギリス式
興味が幅広く、いろいろ試しながら進路を決めたい。日々の積み重ねが得意アメリカ式

将来の進路から考える

想定する進路検討のポイント
日本の大学IB入試を実施する大学の増加により、IBディプロマは有力な選択肢。どのカリキュラムでも、日本の大学入学資格が得られるか(資格・学校の認定)を必ず確認
英国・英連邦圏の大学A-LevelまたはIBディプロマが一般的。志望学部の必須科目を早めに確認
米国の大学アメリカ式(AP)が直結しやすいが、IBやA-Levelでも出願可能
まだ決まっていない国際的に幅広く評価されるIB、または科目選択の柔軟性が高いアメリカ式が選択肢に

学校選びで失敗しないためのチェックリスト

  1. 学校教育法上の位置づけを確認する:文部科学省は、日本国籍の子どもを一条校として認められていないインターナショナルスクールに通わせても、法律上の就学義務を履行したことにはならないとしています。将来、日本の中学校・高校に戻る可能性がある場合は、事前にお住まいの自治体の教育委員会に確認しましょう。
  2. 国際的な評価団体の認定を確認する:WASC、CIS、ACSI、NEASC、Cognia、COBISなどの認定の有無は、日本の大学入学資格に直結します。
  3. 高校段階のカリキュラムを確認する:小学部・中学部がイギリス式やアメリカ式でも、高校段階ではIBDPを採用している学校があります。卒業までの全体像を把握しましょう。
  4. 提供科目を確認する:IBのHL科目、A-Level科目、AP科目の提供状況は学校ごとに大きく異なります。志望する進路に必要な科目が履修できるかを確認しましょう。
  5. 卒業生の進学実績を確認する:どの国・どの大学に進学しているかは、その学校の強みを知るうえで重要な判断材料です。
  6. 日本語の学習環境を確認する:日本の大学進学を考えている場合は、日本語(国語)の授業の有無やレベルも確認しておくと安心です。

※本記事の内容は2026年10月時点で各公式サイト等から確認した情報に基づいています。入試制度、認定校の数、試験の仕組みなどは変更される場合がありますので、最新情報は必ず各機関・各学校・各大学の公式サイトでご確認ください。

カリキュラム選びは、お子様の学校生活だけでなく、その先の進路にも大きく関わる大切な決断です。「わが子にはどのカリキュラムが合っているのか分からない」「志望校の入試で何が求められるのか知りたい」と迷われたときは、専門家に相談するのもひとつの方法です。EGCISは、インターナショナルスクール受験に特化した専門塾で、出願書類のサポート、出願試験対策、面接準備など、生徒の受験を総合的に支援しています。インターナショナルスクール受験についてお困りのことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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