国際バカロレア(IB)とは何か?
- egcisjp
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1. 国際バカロレア(IB)について

国際バカロレア(International Baccalaureate、以下IB)は、スイスのジュネーブに本部を置く国際教育財団が運営する教育プログラムです。1968年に設立され、今や世界150か国以上、5,500校以上で実施されています。
IBの大きな特徴は、「知識の詰め込み」ではなく、「学ぶ力を育む」ことに焦点を当てた教育アプローチにあります。このアプローチは、学力だけでなく、探究心・思いやり・国際的理解力といった“人間性”をも育てることを目的としています。
2. IBの使命(The IB Mission)
「国際バカロレア(IB)は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。 この目的のため、IBは、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた国際教育プログラムと厳格な評価の仕組みの開発に取り組んでいます。 IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。」
この使命文には、IBの教育のすべてが詰まっています。IBは学力だけでなく「人としてどう生きるか」にも強くコミットしており、「知の追求」と「共感の心」が常にセットであるという哲学が流れています。
3. IBプログラムについて

IBの教育プログラムは、3歳から19歳までの子どもたちの発達段階に合わせて、以下のように構成されています。
プログラム | 対象年齢 | 特徴 |
3〜12歳 | 探究学習が中心で、子どもの「なぜ?」に寄り添いながら教科を横断的に学びます。言語、算数、理科、社会をテーマでつなぎ、自主性を育てます。 | |
11〜16歳 | 抽象的思考が育つ時期。リアルな社会課題と結びつけて、教科を超えて学びます。パーソナルプロジェクトなどの成果物も重視されます。 | |
16〜19歳 | 大学進学向けのカリキュラム。6教科+3つのコア(TOK=知の理論、EE=課題論文、CAS=奉仕活動)を通じて、思考力・表現力・倫理観を深めます。 | |
16〜19歳 | 職業的実践とDP科目を組み合わせたプログラム。専門性と人間性の両立を目指し、進学・就職どちらにも対応できます。 |
これらのプログラムはいずれも「探究的学習」「国際的視野」「生涯学習者の育成」を共通理念に据えています。どこで学んでもIBの一貫性ある理念のもと、質の高い教育が提供されます。
4. IBの学習者像(The IB Learner Profile)

IBのすべてのプログラムは、「どんな人間を育てたいのか」という明確な指針、すなわち「学習者像(Learner Profile)」に基づいて設計されています。この人物像は次の10項目です:
探究する人(Inquirers):好奇心をもち、自ら学び続ける力を育てます。
知識のある人(Knowledgeable): 幅広い知識を身につけ、それを社会に役立てることを目指します。
考える人(Thinkers): 論理的かつ創造的に問題を分析し、倫理的判断を下す力を育てます。
コミュニケーションができる人(Communicators): 複数の言語で効果的に伝え合い、多様な他者と協働します。
信念をもつ人(Principled): 誠実・正義感を持ち、行動の責任を自覚する人を育てます。
心を開く人(Open-minded): 他者の価値観や文化を理解し、尊重する姿勢を養います。
思いやりのある人(Caring): 共感し、社会に貢献するために行動します。
挑戦する人(Risk-takers): 困難に前向きに挑み、未知への好奇心を大切にします。
バランスのとれた人(Balanced): 心・身体・知性の調和を重視します。
振り返りができる人(Reflective): 自らの成長を内省し、改善に努めます。
この10の価値観はIB教育の「人格形成」の核心部分であり、学力と並んで最も重視される要素です。
5. 「指導のアプローチ法」と「学習のアプローチ法」
IB教育では、「何を学ぶか(知識)」と同じくらい、「どう学ぶか(方法)」を重視します。それが「指導のアプローチ法(Approaches to Teaching)」と「学習のアプローチ法(Approaches to Learning)」です。
指導のアプローチ法(Approaches to Teaching)
IBの教師は以下のような指導を心がけます:
探究に基づいた授業(Inquiry-based) 生徒の質問や疑問から学びがスタートする。教師は答えを教えるのではなく、考える道筋を共に探る。
概念中心の授業(Concept-driven) 単なる事実ではなく「なぜそれが重要なのか」という“本質”に迫る。
文脈に基づいた学習(Contextualized) 現実社会とのつながりを重視。環境問題や多文化共生など、時代に即した学びが展開される。
協働的で社会的な学び(Collaborative) グループワークやディスカッションを通じて、他者と共に深い理解を築く。
差異を尊重した指導(Differentiated) 学びのスタイルや背景の違いを尊重し、柔軟な指導方法を取り入れる。
学習のアプローチ法(Approaches to Learning)
生徒は以下のスキルを「自分で身につける」ように促されます:
思考スキル(Thinking Skills) 批判的・創造的・論理的思考力
リサーチスキル(Research Skills) 情報収集、資料分析、引用のスキルなど
コミュニケーションスキル(Communication Skills) 発表・文章表現・傾聴・多言語活用など
自己管理スキル(Self-Management Skills) 時間管理、感情コントロール、自己評価の力
社会性スキル(Social Skills) リーダーシップ、協働、対人関係力
これらは、まさに“21世紀を生き抜く力”そのもの。IBではこうしたスキルを幼少期から段階的に伸ばしていきます。
6. 日本国内のIB認定校
日本国内のIB認定校は、年々増加しています。令和6年12月31日時点で、251校がIB認定を受けています。これには一条校(日本の学校制度に基づく学校)だけでなく、インターナショナルスクールや認定こども園も含まれます。
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