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日本留学を目指す海外高校生のための準備ロードマップ

はじめに

「日本の大学に進学したい」という夢を持つ海外の高校生が年々増えています。しかし、日本の大学への留学準備は欧米の大学とは仕組みが大きく異なり、何をいつから始めればいいのか分からないという声も多く聞かれます。

日本の大学受験には、日本留学試験(EJU)や日本語能力試験(JLPT)といった独自の試験があり、出願書類の準備も複雑です。さらに、成績証明書や推薦状の取得など、高校在学中から計画的に動く必要があります。

本記事では、①高校1年からの準備、②試験対策、③出願時期という3つのフェーズに分けて、日本留学を目指す海外高校生が知っておくべきことをすべて解説します。

1. 高校1年からの準備

日本の大学受験では、高校3年間の成績が出願書類として求められます。つまり、高校1年生の段階からすべての行動が「受験の一部」になると意識することが重要です。

高校の成績(GPA)を最初から意識する

早稲田大学などの主要日本大学では、中等教育最終3年間の成績証明書の提出が求められます。各学年別に成績が記載されており、在籍期間も明記されている必要があります。

高校1年の段階から全科目で高い成績をキープすることが、後の出願を有利にします。特に以下の科目は重点的に取り組みましょう。

  • 数学:EJUの数学科目(コース1・コース2)に直結
  • 理科(物理・化学・生物):理系学部志望者はEJUの理科科目に直結
  • 英語:TOEFL・IELTSのスコアに直結
  • 国語・論述:志望理由書・小論文の基礎力になる

日本語学習を早期にスタートする

日本語はゼロから始めた場合、JLPT N2取得まで数百〜千時間以上の学習が必要とされます。高校1年からコツコツと学習を始めることが、受験時に余裕を生み出します。

年次別・日本語学習の目安:

学年目標レベル目安の学習内容
高校1年JLPT N4〜N3ひらがな・カタカナ・基本文法・日常会話
高校2年JLPT N3〜N2読解・聴解・語彙強化・EJU日本語の基礎
高校3年前半JLPT N2以上EJU記述問題・小論文・志望理由書の日本語

日本の大学進学を希望する外国人留学生に対して、JLPTのN1またはN2を求めるケースが多いとされています。志望大学の入試要件を必ず確認し、必要に応じて準備を進めましょう。

課外活動・リーダーシップ経験を積む

日本の大学の外国人留学生入試では、成績・語学力だけでなく、志望理由書や面接で「なぜ日本を選んだか」「入学後・卒業後に何をしたいか」を問われます。

面接では、志望校のカリキュラムやゼミの内容などを詳しく把握したうえで、具体的な入学目的や熱意を自分の言葉で話すことが大切です。入学への意欲が感じられない、志望校の中身を理解していない印象はマイナス評価になります。

高校在学中に積んでおくと有利な経験:

  • 生徒会・クラブのリーダー役職
  • ボランティア活動・地域貢献
  • 学術コンペティション・受賞歴
  • 日本に関連する活動(日本語スピーチコンテスト、日本文化イベントなど)
  • インターンシップ・職業体験

英語資格試験のスコアを早めに取得する

日本の多くの大学では、出願時に英語能力の証明書の提出が必要です。TOEFL、IELTS、TOEIC、英検などが代表的な資格です。

英語圏のインターナショナルスクール出身者は英語力が高いケースが多いため、高校2年までにスコアを取得しておくと、高校3年の受験準備に集中できます。

主な英語資格試験:

試験特徴目安スコア(難関校)
TOEFL iBTアメリカ系大学で広く使用80〜100点以上
IELTSイギリス系・豪州系大学で広く使用6.5〜7.0以上
英検日本国内での認知度が高い2級〜準1級以上

志望校・学部の早期リサーチ

文部科学省・外務省の協力のもとJASSOが運営する政府公認の日本留学情報サイト「Study in Japan(studyinjapan.go.jp)」では、志望校の学校案内や入学願書の取り寄せ、出願資格の確認が可能です。

高校1〜2年のうちに、以下を調べておきましょう:

  1. 志望大学・学部の出願資格(国籍・学歴要件)
  2. 必要な試験とスコアの基準
  3. 使用言語(日本語授業 or 英語プログラム)
  4. 奨学金制度の有無と条件
  5. 春入学・秋入学の選択肢

2. 試験対策

日本の大学に出願するために必要な試験は複数あります。それぞれの目的・内容・対策を正確に把握しましょう。

日本留学試験(EJU)

EJUは、外国人留学生として日本の大学に入学を希望する者の日本語力と基礎学力を評価する試験で、JASSOが実施しています。

日本の大学の60%以上にあたる479校、国立大学においてはほぼすべての大学が入学選考にEJUの成績を利用しています。成績は2年間有効です。

EJUの試験科目:

科目内容対象者
日本語読解・聴解・聴読解・記述(500字程度)ほぼ全員必須
理科物理・化学・生物から2科目選択理系学部志望者
総合科目政治・経済・地理・歴史文系学部志望者
数学コース1(文系)/ コース2(理系)全員(学部による)

理科・総合科目・数学は英語での受験も可能です。また海外からも受験できるため、渡日前に合格を得ることも可能です。

EJUの実施スケジュール:

EJUは年2回実施されます。第1回は6月(出願は2〜3月、成績通知は7月予定)、第2回は11月(出願は7月、成績通知は12月予定)です。

EJU対策のポイント:

  • JASSOの公式サイトで公開されている過去問(2010年以降)を活用する
  • 日本語の記述問題は論理的な文章構成を練習する
  • 数学・理科は日本の高校学習指導要領の内容に準じているため、日本の参考書も有効
  • 総合科目は日本・世界の時事問題への理解を深めておく

関連記事:EJUとは?

日本語能力試験(JLPT)

JLPTはEJUと並んで、大学入学・就職の両方で広く使われる日本語資格です。

出入国在留管理庁の基準では、日本の大学で日本語の授業を受けるために必要な日本語能力の目安として、JLPT N2以上の認定が挙げられています。

JLPTのレベルと目安:

レベル能力の目安受験を目指す時期(目安)
N5基本的な日本語をある程度理解高校1年前半
N4基本的な日本語を理解高校1年後半
N3日常的な場面での日本語をある程度理解高校2年前半
N2より幅広い場面の日本語をある程度理解(大学入学の目安)高校2年後半〜3年前半
N1幅広い場面の日本語を理解(就職・難関大学の目安)高校3年〜浪人期

JLPTは年2回(7月・12月)実施されます。公益財団法人日本国際教育支援協会・国際交流基金の公式サイト(www.jlpt.jp)で詳細を確認できます。

英語外部試験(TOEFL・IELTS)

国際基督教大学(ICU)、上智大学、立命館アジア太平洋大学(APU)などでは、帰国生入試や英語プログラムではEJU受験を求めず、TOEFL・IELTSのスコアで出願できます。志望大学の入試要件を確認しましょう。

インターナショナルスクール出身者は英語力が高い場合が多く、英語プログラムへの出願は大きなアドバンテージになります。

関連記事:日本の大学に出願するための英語試験スコア戦略:TOEFL・IELTS・DETを徹底比較(完全版)

東京大学・早稲田大学など主要校の入試の特徴

東京大学(外国学校卒業学生特別選考):

東京大学の外国学校卒業学生特別選考では、TOEFL・IELTS・EJU・統一試験等に最低点・基準点はなく、第1次選考では提出された書類を総合的に判断します。国際バカロレアを基礎資格として出願する場合、3月31日までに取得見込みであれば出願できます。

早稲田大学(外国学生のための学部入学試験):

早稲田大学の外国学生入試では、出願書類として中等教育最終3年間の成績証明書の提出が必要です。また、大学が指定する日本語外部試験の書類提出が求められます。すべての出願書類は出願期限までに到着したものが有効とされます。

小論文・志望理由書の準備

多くの大学の外国人留学生入試では、小論文や志望理由書が課されます。これは試験勉強だけでなく、自分の考えをまとめる時間が必要なため、早期から準備が必要です。

志望理由書では「なぜこの大学を選んだのか」という志望動機を正しい日本語で表現し、志望校のカリキュラムやゼミ、実習内容などの詳しい情報を把握したうえで、具体的な入学目的と熱意を自分の言葉で話すことが重要です。

志望理由書の構成例:

  1. なぜ日本の大学に進学したいのか
  2. なぜその大学・学部を選んだのか(具体的なカリキュラム・教員・研究内容に言及)
  3. 入学後に何を学びたいか
  4. 卒業後の具体的な目標・キャリアプラン

3. 出願時期

日本の大学への出願スケジュールは、春入学(4月)と秋入学(9月・10月)によって異なります。また大学・学部によって出願期間が大きく異なるため、早期確認が不可欠です。

春入学(4月入学)の一般的なスケジュール

日本の大学は通常4月に新学期が始まります。出願期間は大学やプログラムによって異なりますが、一般的に入学前年の秋から冬にかけて行われます。各大学の公式ウェブサイトで最新のスケジュールを確認し、余裕を持って準備を進めましょう。

春入学(4月)を目指す場合の全体スケジュール:

時期やること
高校3年・6月EJU第1回受験(出願は2〜3月)
高校3年・7月〜8月志望校の募集要項を取り寄せ、出願書類の準備開始
高校3年・9月〜10月成績証明書・推薦状の依頼(学校・担任へ早めに依頼)
高校3年・11月EJU第2回受験(出願は7月)
高校3年・11月〜12月多くの大学の出願締切(東京大学は12月初旬が目安)
高校3年・12月〜翌1月合格発表・入学手続き
翌年・2月〜3月在留資格認定証明書(COE)の申請・ビザ取得
翌年・4月入学

東京大学の2026年度出願スケジュール(参考):

東京大学外国学校卒業学生特別選考の第1種の志願票作成期間は、2025年11月17日(月)正午から12月5日(金)17時までです。インターネットで志願票を作成したうえで、紙媒体で出願書類を郵送する必要があります。インターネット入学志願票の作成だけでは出願したことにはならない点に注意が必要です。

秋入学(9月・10月入学)を目指す場合

近年、東京大学・早稲田大学・慶應義塾大学・立命館APUなど一部の大学で秋入学プログラムが拡充されています。

秋入学の主なポイント:

  • 出願期間は一般的に入学前年の12月〜翌年3月ごろ
  • EJUの第2回(11月)の成績を使用できる
  • 英語プログラムはほぼ秋入学のみという場合も多い
  • 入学前に日本語学校や語学コースで準備期間を設けることが可能

必要な出願書類一覧

大学によって異なりますが、外国人留学生入試で一般的に求められる書類は以下のとおりです。

書類注意点
出願書(願書)各大学の指定様式。オンライン入力が増加中
高校の成績証明書中等教育最終3年間の各学年別成績が必要。日本語・英語以外の場合は公証済み翻訳が必要
卒業証明書(または卒業見込証明書)原本または公証済みコピー
推薦状担任・教科担当教員などから。英語または日本語で作成
志望理由書大学指定の様式または自由形式。日本語または英語
語学スコア証明書EJU成績通知書・JLPTの認定証・TOEFL/IELTSの公式スコアレポート
パスポートのコピー在留資格確認のため
入学検定料の振込証明大学ごとに金額が異なる

書類準備の重要な注意点:日本国外から出願書類を郵送する場合、国際郵便の遅配が生じる恐れがあるため、出願期間内に到着するよう余裕を持って早めに郵送することが重要です。締切後に発送した書類は、いかなる理由があっても受理されません。

渡日前入学許可制度の活用

「渡日前入学許可」とは、受験者が自国にいながら日本の大学の入学者選抜を受験し、入学許可を得ることができる制度です。詳細については各大学へ問い合わせることが必要です。

この制度を活用することで、来日前に合格を確保できるため、渡航・住居・ビザなどの準備を安心して進めることができます。

全体ロードマップ:高校1年〜入学まで

時期学習・試験出願準備
高校1年日本語学習開始(N5→N4)、全科目の成績を意識志望国・志望校の大まかなリサーチ開始
高校2年JLPT N3→N2取得を目指す、英語資格取得(TOEFL・IELTSなど)、EJU科目の基礎固め志望校・学部を絞る、奨学金情報の収集、オープンキャンパス参加(可能であれば)
高校3年前半EJU第1回受験(6月)、JLPT N2→N1を目指す志望理由書の下書き開始、推薦状の依頼準備
高校3年後半EJU第2回受験(11月)、小論文・面接練習出願書類の本格準備、成績証明書・推薦状の取得、出願締切に合わせて郵送
合格後日本語・大学入学準備在留資格認定証明書(COE)の申請、ビザ取得、渡航・住居の手配

おわりに:EGCISのご紹介

日本留学を目指す海外高校生にとって、高校1年からの計画的な準備が合否を大きく左右します。日本語学習・EJU対策・英語資格取得・成績管理・出願書類の準備と、やるべきことは多岐にわたります。特に、志望理由書・小論文・面接は、語学力だけでなく「なぜ日本なのか」「何を学びたいか」という思考の深さが問われる重要な選考要素です。

一人で準備を進めることに不安を感じる方には、専門的なサポートを受けることを強くおすすめします。

EGCISは、インターナショナルスクール受験に特化した専門塾で、出願書類のサポート、出願試験対策、面接準備など、生徒の受験を総合的に支援しています。インターナショナルスクール受験についてお困りのことがあれば、ぜひお気軽にEGCISまでお問い合わせください。


本記事の情報は2026年5月時点のものです。各大学の出願スケジュール・要件は年度ごとに変更される場合があります。最新情報は文部科学省・JASSO(studyinjapan.go.jp)および各大学の公式ウェブサイトで必ずご確認ください。

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