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TMUAは何点必要?Oxford・Cambridge・Imperialのコース別スコア目安を徹底解説

はじめに


イギリスの一流大学で数学・経済学・コンピュータサイエンスなどの学部を目指す場合、UCAS出願書類だけでは入学審査が十分に行われないことがあります。そこで重要になるのが TMUA(Test of Mathematics for University Admission)、日本語で「大学数学入試試験」です。

「TMUAは何点取れば合格できますか」——これは数学科・コンピューティング系・経済学系の出願を考えるご家庭から最も多く寄せられる質問のひとつです。しかし実際には、この問いに単純な一言で答えることはできません。同じTMUAというテストでも、大学によって使われ方がまったく異なるためです。

Cambridgeでは、TMUAはあくまで「面接に呼ぶかどうか」を判断するための予備選抜材料であり、その後に控える面接の比重も非常に大きくなっています。Imperialの数学科・コンピューティング系のように、原則として面接を行わない学科では、TMUAとA-Levelの成績・パーソナルステートメントがほぼすべてを決めることになります。そしてOxfordは2027年度入学(2026年秋出願)から、長年使われてきたMAT(Mathematics Admissions Test)を廃止し、初めてTMUAを導入します。

本記事では、「どのコースにTMUAが必要で、面接はあるのか、目安のスコアはどのくらいか」を横断的にまとめます。

TMUAとは何か:基礎知識のおさらい

TMUA(Test of Mathematics for University Admission)は、UAT-UK(University Admissions Tests UK)が管理するコンピューター上で受験する数学系アドミッションテストです。数学的思考力・論理的推論力を問う内容で、A-Levelの数学(AS〜A2レベルの内容が中心)を土台としつつも、単なる知識の暗記ではなく「初見の問題にどう数学を応用するか」が問われます。

  • 試験時間は合計2時間30分。75分×2パート(各20問・多肢選択式)、計40問構成。
  • Paper 1「Applications of Mathematical Knowledge」:数学の知識を新しい状況に応用する力を測る。
  • Paper 2「Mathematical Reasoning」:論理的推論・初歩的な証明の考え方を測る。
  • 減点方式ではないため、すべての設問に解答することが推奨される。
  • スコアは1.0〜9.0のスケールで算出され、合格ライン・足切り点は公式には設定されていない。異なる回に受験した受験者のスコアも統計的に等化され、同一スケール上で比較可能。
  • 1回の出願サイクルにつき受験は1回のみ有効(10月・1月のいずれかを選択し、最初のスコアのみが大学に送付される)。ただしOxford・Cambridge志望者は原則10月回のみ有効。

UAT-UK の公式ページによると、多くの受験者のスコアは4.5前後に集中し、7.0を超えるのは上位1割程度とされています。この「4.5が平均的、6.5〜7.0以上が上位層」という大まかな分布感覚は、以下で紹介する各大学のスコア目安を読み解くうえでの土台になります。

TMUAが必要な大学・コース一覧(2027年度入学)

2027年度入学(2026年秋出願)の時点で、TMUAを利用する主要大学は次の7校です。Oxford・Cambridge・Imperial以外にも、LSE・Warwick・Durham・UCLがそれぞれのコースでTMUAを利用しています。

大学対象コース(主なもの)備考
CambridgeMathematics、Computer Science、Economics全志願者必須。10月回のみ有効
OxfordMathematics、Mathematics & Statistics、Mathematics & Philosophy、Mathematics & Computer Science、Computer Science、Computer Science & Philosophy2027年度入学からMATを廃止しTMUAへ全面移行。10月回のみ有効
ImperialMathematics BSc、Computing(BEng/MEng、JMC等含む)、Economics, Finance and Data Science10月・1月いずれかで受験可(詳細は後述)
LSEBSc Economics、BSc Econometrics and Mathematical Economics必須。他のMaths/Finance系コースでは提出を推奨
WarwickComputer Science(必須)、Mathematics(STEPと選択制)、Economics系(任意・高スコアで減点オファー)コースにより扱いが異なる
Durham・UCL一部のMathematics・Computer Science系コースコースごとに要確認

TMUAが必要かどうかは学科単位で細かく異なるため、必ず志望コースの公式ページで確認してください。

Imperial College London:スコアの目安と面接の有無

公式にはスコアの足切りラインを設けていない

Imperialの公式ページ「Understanding your ESAT and TMUA scores」では、「ESAT・TMUAのスコアは出願書類の一要素にすぎず、高得点が合格を保証するものでも、低得点が不合格を意味するものでもない」と明記されています。TMUAのページでも、すべての出願者がTMUAの結果にかかわらず選考対象になるとされています。しかし、これはTMUAやESATの重要性が低いことを意味するものではありません。これらの試験は依然として選考における重要な評価要素の一つです。

Imperialは2025年度入学分の学科別スコア分布・合否データを公開しており、学科ごとの平均スコアやスコア帯別の合格率を確認できます。

対象コースと出願時期

コースTMUA面接備考
Mathematics BSc必須原則なし12月19日までの出願者はTMUA必須。それ以降の出願者はSTEP等で代替の可能性
Computing(BEng/MEng、Mathematics and Computer Science/for AI含む)必須原則なし稀に面接あり(特別な事情がある場合など)
Economics, Finance and Data Science(Business School)必須あり(オンライン20〜30分)TMUA・成績等で書類選考を通過した候補者のみ面接に招待

公式ダッシュボードで見る実際のスコア(2025年度入学・Overseas区分)

Imperialは前述のインタラクティブダッシュボード上で、学科別・出願者区分別(Home non-WP/Home WP/Overseas)のTMUA平均スコアと結果内訳を公開しています。本記事は海外在住のインターナショナルスクール生に向けた記事のため、ここでは「Overseas(海外在住の出願者)」区分の数値を中心に見ていきます。これは個別指導機関の推測ではなく、Imperial自身が公開している2025年度入学サイクルの実データです。

学科出願者区分合格率平均TMUAスコア(満点9)
Mathematics BScOverseas16.6%合格者 8.4/不合格者 5.2
Computing(全体)Overseas16.6%合格者 6.5/不合格者 3.8

特に注目すべきはMathematics BSc・Overseas区分の「合格者の平均TMUAスコアが8.4(満点9)」という数字です。これは9点満点中ほぼ上限に近い水準であり、Imperialの数学科が、特に海外出願者にとって非常に競争が激しいコースであることを裏付けています。面接を行わない分、TMUAとA-Levelの成績だけで合否の大部分が決まるため、海外出願者の間ではスコアがより高い層に偏りやすいと考えられます。実務的な目安としては、Mathematics BSc(Overseas)は8点前後、Computing(Overseas)は6.5点前後を一つの現実的なターゲットとして意識しておくとよいでしょう。

上記の数値は2025年度入学サイクルの実績であり、年度によって変動します。またTMUAスコアは出願評価の一要素にすぎず、この水準に届かなければ合格しないという意味ではありません。あくまで「合格者の実際の分布」として参考にしてください。

University of Cambridge:スコアの目安と面接の有無

2027年度入学からMathematics・Computer Science・Economicsの全志願者に必須

Cambridgeの公式ページによれば、Mathematics・Computer Science・Economicsの志願者は全員、10月回のTMUAを受験することが必須です。Computer ScienceやEconomicsはすでに以前の入学年度からTMUAを利用してきた実績がありますが、Mathematicsについては2027年度入学が初めてTMUA(あるいはそれ以前のいかなる筆記の事前選抜テストも)を課す年です。従来Cambridgeの数学科には事前提出型のテストが一切なく、選考は「A-Levelの成績+面接(一部カレッジでは面接当日に実施される筆記の課題)+条件付きオファーとしてのSTEP」という枠組みで行われてきました。つまりMathematicsにとってのTMUAはまったく新しい制度であり、Cambridge自身にとっても「初めて運用してみる」段階に近いといえます。

Mathematics学部の公式ページでは、TMUA導入の目的について次のように説明されています。

「TMUAの成績は、出願者の他の要素と合わせて総合的に検討され、面接への招待判断の一助とします。これは、最も合格しそうな出願者だけを選ぶためではなく、競争力を持ちにくい出願者を識別するために用いるものです」

Cambridgeは例年、Mathematics志願者の75〜80%を面接に招待しており、TMUA導入後も「大多数を面接に招く」方針を維持するとしています。つまりTMUAは面接前のふるいであって、TMUA一発で合否が決まる仕組みではありません。

目安となるスコア(非公式データ)

Cambridgeもスコアの公式カットオフは公表していませんが、受験情報サイトや個別指導機関の分析、受験生コミュニティでの情報交換では、おおむね次のような認識が共有されています。

  • Mathematics :

7.5以上:とりわけ国際生向けの受験指導機関の間では、「アドミッションチューターに強い印象を残せる水準」として紹介されることがある。Cambridge Mathematicsの海外出願者プールは総じてハイレベルであるため、国内出願者向けの目安である6.5〜7.0だけでなく、7.5前後を一つの目標として意識しておくと安心という見方も少なくない。

  • Computer Science・Economics:6.5以上を安定して超えることが望ましいという見方が一般的。

上記のスコア目安はCambridgeの公式発表ではなく、個別指導機関や受験生コミュニティでの情報を整理したものです。実際の判断はTMUAだけでなく、成績・パーソナルステートメント・推薦状など出願全体を踏まえて行われます。

STEPはTMUAとは別に必要——「TMUAを受ければSTEPは不要」ではない

特に誤解されやすいポイントとして、TMUAとSTEP(Sixth Term Examination Paper)はまったく別の試験であり、どちらか一方で済むものではないという点があります。位置づけを整理すると次のとおりです。

  • TMUA:出願年の10月に受験。UCAS出願(10月中旬締切)と同時期に行い、Cambridgeはこのスコアを他の出願書類とあわせて「誰を面接に招くか」の判断材料として使う。
  • 面接:12月に実施。Mathematicsは例年、志願者の75〜80%程度と高い割合で面接を実施しており、TMUAは面接に進める人をふるい落とすためというより、際立って可能性が低い出願者を識別するために使われるとCambridge自身が説明している。
  • STEP:面接後、条件付きオファーを得た翌年6月(A-Level本試験と同時期)に受験。標準的な条件はSTEP IIでGrade 1、カレッジによってはSTEP IIIのGrade 1も追加で課される。TMUAで高スコアを取ってもSTEPの条件が免除されるわけではない。

つまりCambridge Mathematicsの出願者は、10月のTMUA・12月の面接・翌年6月のSTEPという3段階の関門を約1年かけて突破する必要があります。TMUA対策とSTEP対策は出題形式も難易度もまったく異なるため、TMUA対策だけに集中してSTEP対策の開始が遅れないよう、早い段階から並行して準備を進めることが推奨されます。

University of Oxford:初年度導入でどう考えるべきか

Oxfordは2007年から2025年まで使用してきたMAT(Mathematics Admissions Test)を廃止し、2027年度入学(2026年秋出願・2026年10月受験)からMathematics、Mathematics & Statistics、Mathematics & Philosophy、Mathematics & Computer Science、Computer Science、Computer Science & Philosophyの全コースでTMUAに全面移行します。選考プロセス自体は、TMUAの受験→(多くのコースで)ショートリスティング→カレッジ面接(通常2回、各30分程度)という流れです。

「初めての年」だからこそ、確たるスコア基準は存在しない

MAT時代には約20年分の過去問・合格者データの蓄積があり、「このくらいのスコアなら合格圏内」という相場観がある程度共有されていました。しかしTMUAは2026年10月が「Oxfordにとって初めての実施回」であるため、公式にも非公式にも確立されたスコア基準はまだ存在しません。この点はOxford自身も明言しており、受験生・保護者は「今年のデータが出るまでは誰にも正確なことは分からない」という前提で臨む必要があります。

それでも参考にできる考え方

確定的な基準がない以上、以下はあくまで現時点での見立て・仮説として捉えてください。

  • Oxfordの数学・コンピューティング系志願者層は、応募者の重なりが大きいCambridgeとほぼ同水準の実力層と考えられるため、多くの個別指導機関は「初年度もCambridgeと近い水準(6.5〜7.0 以上が一つの目安)になるのではないか」と予想しています。
  • 基準がImperialほど高くないと予想している理由としては、Oxfordには面接があるという点が挙げられます。Imperialの数学科は原則として面接を行わないため、TMUAと成績だけで合否の大部分が決まってしまい、結果としてTMUAの比重が非常に大きくなります。一方Oxfordは、Cambridgeと同様にTMUAを受験した後、カレッジでの面接を経て最終的な合否が決まる仕組みです。つまりTMUAは「面接に進めるかどうか」を判断するための一つの材料にすぎず、Imperialの数学科ほど高いスコアを単独で求められるわけではないのではないか、という見方です。

Oxfordのスコア目安に関する記述は、2026年7月時点での予想・仮説の域を出ません。UAT-UKやOxford公式からスコア分布データが公開され次第、最新情報に基づいて見直すようにしてください。

コース別サマリー:


最後に、TMUAが必要な代表的コースについて「TMUAのみで進むのか」「TMUA+面接なのか」を一覧にまとめます。

大学コースTMUA面接
CambridgeMathematics, Computer Science, Economics必須(10月のみ)あり
OxfordMathematics系(Maths、Maths&Stats、Maths&Phil、Maths&CS), Computer Science系(CS、CS&Phil)必須(10月のみ)あり
ImperialMathematics BSc, Computing(BEng/MEng、JMC等)必須原則なし
ImperialEconomics, Finance and Data Science必須あり

この表から分かるように、「TMUAだけで勝負が決まりやすいコース」はImperialのMathematics・Computingに代表され、「TMUAは面接への切符であり、そこから先は面接での実力勝負」というコースはOxbridge全般とImperialのEconomics, Finance and Data Scienceに当てはまります。同じTMUAのスコアでも、志望コースによって「何にどう効いてくるか」が異なる点を理解したうえで対策の優先順位を考えることが重要です。

※Cambridge Mathematicsのみ、この表には表れないもう一段階の関門としてSTEP(面接後、翌年6月に受験)があります。TMUA・面接を突破しても、条件付きオファーに含まれるSTEPの成績要件(標準はSTEP II Grade 1)を満たさなければ入学できません。詳細は前セクションを参照してください。

TMUAの出題形式とスコアの仕組み

TMUA対策を考えるうえでは、スコアの目安と同じくらい「どういう試験なのか」を正確に理解しておくことが重要です。

項目Paper 1Paper 2
名称Applications of Mathematical KnowledgeMathematical Reasoning
時間75分75分
問題数20問(多肢選択式)20問(多肢選択式)
内容既存の数学知識を初見の状況に応用する力論理的推論・初歩的な証明の考え方
  • Further Mathematicsを履修していなくても受験内容自体はAS・A2の数学が中心のため対応可能とされるが、Cambridge・Oxfordの数学系志望者にはFurther Mathsの履修(相当の実力)が強く期待される。

出願準備ロードマップ

時期内容
2026年7月20日〜UAT-UKアカウント登録・TMUA Window1(10月回)の予約開始
2026年9月28日 Window1(10月回)予約締切
2026年10月12日〜16日TMUA Window1受験。Oxford・Cambridge志望者はこの回が必須
2026年10月15日UCAS (Oxford・Cambridge 受験者)出願締切
2026年11月〜TMUAスコア開示。大学ごとにショートリスティング・面接招待の通知
2026年12月〜2027年1月Cambridge・Oxfordのカレッジ面接、Imperial一部学科の面接
2026年12月21日Window2(1月回) 予約締切
2026年1月13日UCAS一般締切
2027年1月〜下旬各大学の合否発表

※年度によって要件や日程が変更される可能性があります。出願前に必ず各大学・UAT-UKの公式ページで最新情報をご確認ください。

おわりに:EGCISのご紹介

TMUAは「何点取れば安全」という単純な足切り試験ではなく、大学ごと・コースごとに果たす役割がまったく異なるテストです。面接を行わないImperialのMathematics・Computingでは、TMUAと成績が合否のかなりの部分を左右する一方、CambridgeやOxfordでは面接という次の関門に進むための一つの材料にすぎません。だからこそ、「志望コースにとってTMUAがどんな意味を持つのか」を正確に理解したうえで対策を進めることが重要です。

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