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ESATは何点必要?Oxford・Cambridge・Imperialのコース別スコア目安を徹底解説

はじめに

イギリスの一流大学で工学・物理学・自然科学・獣医学などの学部を目指す場合、UCAS出願書類だけでは入学審査が十分に行われないことがあります。そこで重要になるのが ESAT(Engineering and Science Admissions Test)、日本語で「工学・理科入試試験」です。

ESATはCambridge・Imperialが導入当初から運用してきた「実績のあるテスト」であるのに対し、Oxfordは2027年度入学(2026年秋出願)から初めてESATを導入します。

本記事では、Imperial College Londonが公開しているダッシュボードのデータをもとに、Electrical and Electronic Engineering(EEE)・Mechanical Engineering・Physicsという3つの主要コースについて、実際の合格者・不合格者のスコア分布を詳しく見ていきます。あわせてCambridgeのEngineering(総合工学)、そして初年度を迎えるOxfordのEngineering Science・Physicsについても、現時点でわかっていることを整理します。

ESATとは何か:基礎知識のおさらい

ESAT(Engineering and Science Admissions Test)は、UAT-UKが管理し、Pearson VUEのテストセンターで実施されるコンピューター上で受験する理系アドミッションテストです。出題内容は数学だけでなく物理・化学・生物にも及びます。

  • 全部で5つのモジュール(Mathematics 1/Mathematics 2/Physics/Chemistry/Biology)が用意されており、Mathematics 1はほぼ全コース共通の必須モジュール。
  • 多くのコースでは、Mathematics 1に加えて2つのモジュールを受験(合計3モジュール・120分)。どのモジュールを受けるかはコースごとに指定されている場合がほとんどで、自由に選べるケースは限られる。
  • 各モジュールは40分・27問の多肢選択式。モジュールごとに1.0〜9.0のスケールでスコアが算出されます。
  • 減点方式ではないため、すべての設問に解答することが推奨される。合格ライン・パス基準は存在しない。
  • 結果はテスト実施から約4〜6週間後を目安に、UAT-UKアカウントを通じて本人および出願先大学に通知される。

本記事で紹介するEEE・Mechanical Engineering・Physics・Cambridge Engineering・Oxford Engineering Science/Physicsは、いずれも「Mathematics 1+Mathematics 2+Physics」という同じ3モジュール構成を採用しています。

ESATが必要な大学・コース一覧

大学対象コース(主なもの)
CambridgeEngineering、Natural Sciences、Chemical Engineering and Biotechnology、Veterinary Medicine
ImperialEngineering学部各学科(Aeronautics/Chemical Engineering/Civil and Environmental Engineering/Design Engineering/Electrical and Electronic Engineering/Mechanical Engineering)、Physics、Life Sciences系の一部コース
OxfordEngineering Science、Physics、Physics & Philosophy、Biomedical Sciences
UCL一部のEngineering系コース

Imperial College London:EEE・Mechanical Engineering・Physicsのスコア詳細

Imperialは学科ごとに出願する仕組み

Cambridge・Oxfordの工学部が「Engineering」「Engineering Science」という一つの総合コースに出願し、専門分野は入学後の2〜3年目に選択する仕組みであるのに対し、Imperialでは出願時点でAeronautics・Chemical Engineering・Civil and Environmental Engineering・Design Engineering・Electrical and Electronic Engineering・Mechanical Engineeringといった学科ごとに出願する仕組みを採っています。

公式ダッシュボードで見る実際のスコア(2025年度入学・Overseas区分)

以下は、Imperial公式のESATダッシュボードから抽出した2025年度入学サイクルの実データです。本記事は海外在住のインターナショナルスクール生向けのため「Overseas」区分の数値を中心に紹介します。ダッシュボード上の平均スコアは3モジュールの合計値(満点27)で表示されているため、他コースと比較しやすいよう、モジュール1つあたりの平均スコア(合計÷3)もあわせて併記しています。

学科出願者区分合格率平均スコア(満点27)モジュール平均(÷3)
Mechanical EngineeringOverseas14.2%合格者 16.8
面接後不合格 19.1
面接前不合格 10.3
合格者 5.6
面接後不合格 6.4
面接前不合格 3.4
Electrical and Electronic EngineeringOverseas16.0%合格者 19.8
面接後不合格 14.0
面接前不合格 11.7
合格者 6.6
面接後不合格 4.7
面接前不合格 3.9
PhysicsOverseas31.4%合格者 19.4
不合格者 11.1(面接なし)
合格者 6.5
不合格者 3.7(面接なし)

この表から読み取れる最も興味深いポイントは、Mechanical Engineeringにおいて「面接に呼ばれたが不合格だった人」の平均スコア(19.1/モジュール平均6.4)が、「合格した人」の平均スコア(16.8/モジュール平均5.6)を上回っているという点です。EEEでも面接後不合格者の平均は合格者よりは低いものの、無視できない水準にあります。これは、面接を実施する工学系学科では、ESATのスコアが高いだけでは合格を保証しないことを裏付けています。ESATはあくまで「面接に呼ばれるための入り口」であり、そこから先は面接での受け答えや専門分野への理解度が大きく合否を左右すると考えられます。

一方Physicsには「面接後不合格」の区分が存在しません。これはImperialの物理学科が原則として面接を実施しないためです。ESATとA-Levelの成績でほぼすべてが決まる分、合格者のスコアがより高い層に偏る傾向があり、Overseas区分の合格者平均はモジュール平均6.5(3モジュール合計19.4/27)と、EEE・Mechanical Engineeringの合格者平均を上回っています。

実務的な目安としては、EEE(Overseas)はモジュール平均6.6点前後、Mechanical Engineering(Overseas)は5.6点前後、Physics(Overseas)は6.5点前後が、実際に合格している層のスコア水準として参考になります。ただしMechanical Engineering・EEEについては、面接を突破できるかどうかがこの水準に届くかどうかと同じくらい重要である点を忘れないでください。

上記の数値は2025年度入学サイクルの実績であり、年度によって変動します。またESATスコアは出願評価の一要素にすぎず、この水準に届かなければ合格しないという意味ではありません。あくまで「合格者・不合格者の実際の分布」として参考にしてください。

University of Cambridge:Engineeringのスコアの目安

Cambridge Engineeringは一つの総合コース

Cambridgeの工学部は、Imperialのように学科ごとに分かれておらず、「Engineering」という一つの総合コース(General Engineering)に全員が出願し、Mechanical・Electrical・Civilといった専門分野は入学後の2〜3年目に選択する仕組みです。ESATのモジュール構成はMathematics 1+Mathematics 2+Physicsで、これはImperialのEEE・Mechanical Engineering・Physicsと同じ組み合わせです。

目安となるスコア(非公式データ)

Cambridgeは公式のカットオフスコアを公表していませんが、個別指導機関の分析では次のような目安が語られています。

  • モジュール1つあたり6.8前後:Cambridge Engineeringにおいて、この水準に届いていれば「面接がうまくいけば十分勝負できる」良いポジションにいるとされることが多い。ESATはあくまで面接に招くかどうかの判断材料であり、6.8点前後を取ったうえで面接の出来が伴えば、合格の可能性は十分にある。
  • Cambridge Engineeringは例年、志願者のかなりの割合を面接に招待しており、ESATは面接に招く判断材料の一つとして使われる。ESATの点数だけで合否が決まる仕組みではない。

上記のスコア目安はCambridgeの公式発表ではなく、個別指導機関や受験情報サイトの分析を整理したものです。実際の判断はESATだけでなく、成績・パーソナルステートメント・面接など出願全体を踏まえて行われます。

University of Oxford:2027年度入学から初めてのESAT導入


Oxfordは2027年度入学(2026年秋出願・2026年10月受験)から、長年使用してきたPAT(Physics Aptitude Test)を廃止し、ESATを導入します。モジュール構成はEngineering Science・Physicsともに、Mathematics 1+Mathematics 2+Physicsです。

「初めての年」だからこそ、確たるスコア基準は存在しない

PAT時代には長年の過去問・合格者データの蓄積があり、「このくらいの得点なら合格圏内」という相場観がある程度共有されていました。しかしESATは2026年10月が「Oxfordにとって初めての実施回」であるため、公式にも非公式にも確立されたスコア基準はまだ存在しません。

それでも参考にできる考え方

確定的な基準がない以上、以下はあくまで現時点での見立てとして捉えてください。

  • Oxfordが採用するモジュール構成(Mathematics 1+Mathematics 2+Physics)は、Cambridge Engineeringや、すでに実績のあるImperialのEEE・Mechanical Engineering・Physicsとまったく同じです。テストの中身自体はOxfordにとっても他大学にとっても共通であるため、Cambridge・Imperialで蓄積されてきたスコア感覚(モジュール平均6.5〜7.0点前後に届いていれば、面接次第で十分勝負できるライン)は、Oxfordの初年度を占ううえでも一定の参考になると考えられます。
  • Oxfordにとって初めての年である以上、実際のところは2026年10月の受験結果と2027年1月の合否発表を経て初めて明らかになります。UAT-UKやOxford公式からスコア分布データが公開され次第、最新情報に基づいて見直すようにしてください。

Oxfordのスコア目安に関する記述は、2026年7月時点での予想の域を出ません。

ESATの出題形式とスコアの仕組み

ESAT対策を考えるうえでは、スコアの目安と同じくらい「どういう試験なのか」を正確に理解しておくことが重要です。本記事で扱う3モジュール構成(Mathematics 1+Mathematics 2+Physics)を例に整理します。

項目Mathematics 1Mathematics 2Physics
時間40分40分40分
問題数27問(多肢選択式)27問(多肢選択式)27問(多肢選択式)
位置づけほぼ全コース共通の必須モジュールより発展的な数学内容を扱う選択モジュール力学・電磁気・波動などを扱う選択モジュール
  • Mathematics 1はGCSE〜A-Level初期段階の内容が中心で、Mathematics 2はより発展的な内容(微分方程式・複素数・ベクトルなど)を扱う。
  • A-Level Further Mathematicsの内容やA-Level標準を超える専門知識は出題範囲に含まれない。

出願準備ロードマップ

時期内容
2026年7月20日〜UAT-UKアカウント登録・ESAT Window1(10月回)の予約開始
2026年9月28日 Window1(10月回)予約締切
2026年10月12日〜16日ESAT Window1受験。Oxford・Cambridge志望者はこの回が必須
2026年10月15日UCAS (Oxford・Cambridge 受験者)出願締切
2026年11月〜ESATスコア開示。大学ごとにショートリスティング・面接招待の通知
2026年12月〜2027年1月Cambridge・Oxfordのカレッジ面接、Imperial一部学科の面接
2026年12月21日Window2(1月回) 予約締切
2026年1月13日UCAS一般締切
2027年1月〜下旬各大学の合否発表

※年度によって要件や日程が変更される可能性があります。出願前に必ず各大学・UAT-UKの公式ページで最新情報をご確認ください。

おわりに:EGCISのご紹介

EGCISでは、インターナショナルスクール生の海外大学進学に精通した講師陣が、TMUA・ESATといった専門アドミッションテスト対策から、実践的な模擬面接まで一貫してサポートしています。また、公式過去問の出題傾向を徹底的に分析したEGCISオリジナルの模擬試験もご用意しており、本番を見据えた実践的な対策が可能です。Oxbridge・Imperial受験をご検討の方は、ぜひ無料体験レッスンでEGCISの指導をご体感ください。

本記事の情報は2026年7月時点のものです。入試制度・出願要件・スコアの目安は年度ごとに変更される場合があります。最新情報はオックスフォード大学・ケンブリッジ大学・インペリアル・カレッジ・ロンドンおよびUAT-UKの公式ウェブサイトで必ずご確認ください。

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