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慶應義塾大学 経済学部 PEARL(Programme in Economics for Alliances, Research and Leadership)徹底解説

はじめに

慶應義塾大学経済学部が提供する「PEARL(Programme in Economics for Alliances, Research and Leadership)」は、日本国内では数少ない、経済学部における4年間完全英語プログラムです。海外の高校を卒業した生徒や、国内のインターナショナルスクール出身の生徒にとって、日本語能力を問わず日本トップクラスの大学で経済学を学べる貴重な選択肢となっています。

この記事では、PEARLのプログラム概要、カリキュラム、出願要件、学費、奨学金、キャンパスライフに至るまで、慶應義塾大学の公式サイトの情報をもとに、できる限り詳しく・正確にまとめました。PEARLへの出願を検討している方はもちろん、慶應の英語プログラムについて知りたい保護者の方にも役立つ内容になっています。

なお、本記事は2026年7月時点で慶應義塾大学の公式サイトに掲載されている情報をもとに作成しています。出願要項や日程は年度によって変更される可能性があるため、実際の出願の際は必ず最新の公式情報をご確認ください。

1. PEARLとは何か

PEARLは、慶應義塾大学経済学部が設置する学士課程プログラムで、正式名称は「Programme in Economics for Alliances, Research and Leadership」です。慶應の公式サイトでは以下のように説明されています。

PEARL(Program in Economics for Alliances, Research, and Leadership)is a September-entry program in which students study economics in English and complete their degree in four years. The program aims to cultivate future leaders who will play active roles on the global stage, grounded in a solid foundation of economic knowledge.

つまりPEARLは、

  • 9月入学
  • 授業はすべて英語で実施
  • 4年間で経済学の学士号を取得
  • 「経済学の確かな知識を土台に、グローバルに活躍するリーダーを育成する」ことを目的とするプログラム

という特徴を持っています。

基本情報一覧

項目内容
正式名称Programme in Economics for Alliances, Research and Leadership(PEARL)
設置学部慶應義塾大学 経済学部
取得学位Bachelor of Arts in Economics(経済学士)
入学時期9月
修業年限4年(一定の条件を満たせば3.5年での卒業も可能)
授業言語英語
入学定員3回の出願期間合計で約100名
選考方法書類選考のみ(面接なし)
キャンパス1・2年次:日吉キャンパス/3・4年次:三田キャンパス

出典:PEARL | Faculty of Economics | Keio UniversityAdmissions Procedures for the PEARL

2. カリキュラムの特徴

PEARLのカリキュラムは、日吉キャンパスでの前半2年間と、三田キャンパスでの後半2年間で構成されています。

2-1. 日吉キャンパス(1・2年次):Type Bカリキュラム

慶應経済学部では、入試の種類によって「Type A」と「Type B」という2種類のカリキュラムに分かれます。

  • Type A:数学を含む入試(一般選抜など)で入学した学生向け。線形代数・微積分が必修で、経済分析に必要な数学的手法と演繹的アプローチを重視。
  • Type B:日本史・世界史を含む入試、およびPEARLの入試で入学した学生向け。「日本経済入門」「経済分析における歴史的視座」が必修で、帰納的アプローチと経済史を重視。数学科目は学生のレベルに応じて履修可能だが必修ではない。

公式サイトの説明では、PEARL入学者はType Bカリキュラムで学ぶことが明記されています。両タイプとも、3・4年次に本格的な経済分析を学ぶための土台を1・2年次で築くことを目的としています。

2-2. 三田キャンパス(3・4年次):専門経済学

3・4年次は三田キャンパスに移り、経済学を以下の10分野に大別して専門的に学びます。

分野主な科目例
A. 経済理論中級ミクロ経済学、中級マクロ経済学、ゲーム理論
B. 計量経済学・統計学計量経済学、確率・統計、応用計量経済学、ベイズ統計学、時系列分析
C. 経済思想史経済思想史、社会思想史、社会思想
D. 経済史日本経済史、欧米経済史、アジア経済史
E. 労働・産業経済学産業経済学、労働経済学、健康経済学、社会政策、産業組織論
F. 経済政策・財政学経済政策、日本の経済システム、財政学、金融論、規制改革の経済学
G. 現代経済システム現代日本経済、比較経済システム、日本資本主義発達史、現代資本主義
H. 国際経済学国際貿易論、国際金融論、開発経済学、経済と環境法、地球環境問題
I. 環境・都市経済学経済地理学、環境経済学、都市経済学
J. 経済と社会人口学、産業社会論、社会史

さらに、これらのコア科目に加え、より専門的な「アドバンスト科目」や、卒業論文・リサーチペーパーを作成する「研究会(ゼミ)」「独立研究プロジェクト」も用意されています。

出典:Curriculum at our Mita CampusCurriculum at our Hiyoshi Campus

3. HEC Paris(フランス)との5年間BA/MAダブルディグリープログラム

PEARL独自の制度として特筆すべきなのが、フランスの名門グランゼコール「HEC Paris(パリ高等商業学校)」との提携による5年制BA/MAプログラムです。これはPEARL生のみが応募できる特別プログラムです。

制度の概要

  • 対象:PEARL在籍生のみ(他の経済学部生は対象外)
  • 定員:年間最大2名
  • 流れ:慶應に3年間在籍→3年次にHECへ応募・選考→4年次からHEC Parisで2年間学ぶ
  • 取得学位:慶應義塾大学の経済学士号(4年終了時)+HEC Parisの経営学修士号(Master in Management、5年終了時)

応募資格(すべて満たす必要あり)

  1. TOEFL 100点以上、またはIELTS 7.0以上
  2. GPA 2.5以上
  3. 4年間で慶應を卒業見込みであること
  4. 3年次終了までに慶應の卒業要件を満たす見込みであること(コアコース12単位の修了、アドバンスト科目の単位取得など)

選考スケジュール(目安)

時期内容
3月中旬応募
3月下旬一次選考
3月下旬一次選考結果発表
4月上旬〜中旬HECへの応募
4月下旬〜5月上旬最終選考
5月下旬〜6月上旬最終結果発表
8月〜9月渡仏

学費については、最初の4年間は慶應に授業料を納め、HECへの授業料は免除。5年目はHECに授業料を納め、慶應への授業料は免除となります。

出典:Five-Year BA/MA Program with HEC Paris [PEARL]

4. 出願要件・入試制度

4-1. 選考方法

PEARLの選考は書類選考のみで、面接は実施されません。出願はすべて英語で行う必要があります。

4-2. 必要な標準テストスコア

出願者は以下の(a)〜(c)のいずれか1つ以上を提出する必要があります(他の試験スコアでの代替は不可)。

  • (a) 国際バカロレア(IB)ディプロマ(最終スコアまたは予測スコア)
  • (b) SATスコア

加えて、以下の(d)(e)のいずれか、または両方の提出が必要です(他の試験スコアでの代替は不可)。

  • (d) TOEFL iBT®スコア
  • (e) IELTS Academic Moduleスコア

【重要・2025年7月30日付の公式アナウンス】 慶應義塾大学経済学部は、2027年9月入学者向けの出願からACTスコアを標準テストとして受け付けなくなることを公式に発表しています。2027年9月入学以降は、IB(最終スコアまたは予測スコア)またはSATのいずれかのみが認められます。2027年9月入学向けの出願要項は2026年7月頃に公開予定とされていますので、出願を検討している方は必ず最新の公式ページで確認してください。

4-3. 出願スケジュール(2026年9月入学者向け・参考)

直近で確定していた2026年9月入学者向けの出願スケジュールは以下の通りでした(次年度以降のスケジュールの目安として掲載します。実際の日程は毎年更新されるため、必ず公式サイトを確認してください)。

出願期間出願受付期間合格発表
I期2025年10月22日 10:00 〜 2025年12月3日 15:00(日本時間)2026年1月26日 10:00
II期2025年12月5日 10:00 〜 2026年1月28日 15:00(日本時間)2026年2月26日 10:00
III期2026年2月27日 10:00 〜 2026年4月10日 15:00(日本時間)2026年5月25日 10:00
  • 出願料:35,000円(クレジットカード決済、各出願期間中に支払い)
  • ある期で不合格になっても、その後の出願期間に再出願することが可能
  • 出願はオンライン出願システム「The Admissions Office (TAO)」を通じて行う

4-4. その他のポイント

  • 慶應義塾大学経済学部は編入学(transfer)を受け付けていません。
  • 修業年限は原則4年ですが、一定の条件を満たせば3.5年での卒業が認められる場合があります。
  • 入学定員は3回の出願期間合計で約100名です。

出典:Admissions Procedures for the PEARL(2025年7月30日付ACTに関する重要なお知らせを含む)

5. 学費(2026年度・経済学部)

慶應義塾大学が公表している2026年度学部学費一覧によると、経済学部(PEARLを含む)の初年度納入金は以下の通りです(単位:円)。

項目金額
入学金200,000円
在籍基本料70,000円
授業料990,000円
施設設備費240,000円
学会資料購読料等5,000円
自治会費750円
学生健保(学生健康保険互助組合年会費)2,600円
初年度納入金合計1,508,350円
  • 入学金(200,000円)は初年度のみの納入です。
  • 2年次以降は入学金がなくなるため、年間の納入金額は目安として約1,308,250円前後になります(在籍基本料・授業料・施設設備費等は在学中、物価スライド制により毎年見直される場合があります)。
  • 学費は春学期・秋学期の年2回に分けて納入可能です(4月末・10月末が納入期限の目安)。
  • 9月入学者が入学前に納める金額は、春学期分の学費と同額です。

出典:Undergraduate Academic Fees(AY2026 Academic Fees and Expenses for Undergraduate Faculties、慶應義塾大学公式PDF)

6. 奨学金について

PEARL生に関する奨学金情報として、公式サイトのFAQでは以下の点が案内されています。

  • 文部科学省(MEXT)奨学金はPEARL生には適用されません。
  • 一方で、慶應義塾大学独自の奨学金制度が用意されており、私費留学生向けの支援も含め、経済的な不安なく学業に専念できるようさまざまな奨学金が案内されています。

具体的な奨学金の種類・金額・応募条件は年度によって変わるため、最新情報は慶應義塾大学の奨学金ページで必ず確認することをおすすめします。

7. キャンパスライフ

PEARL生は、1・2年次を日吉キャンパス、3・4年次を三田キャンパスで過ごします。これは前述の通り、Type A(一般選抜等)の学生と同じキャンパス移動のパターンです。

慶應の公式ページに掲載されているPEARL Student Voices(学生インタビュー)には、様々な国・地域出身の学生が登場しており、PEARLが国際色豊かなコミュニティであることがうかがえます。学生インタビューでは、経済学の学びだけでなく、日吉・三田それぞれのキャンパスでの生活、サークル活動、将来のキャリアについての声が紹介されています。

なお、PEARL生は英語で開講されるコア科目を中心に学びますが、FAQによると、他学部・他機関が開講する日本語または英語の授業(研究会を含む)を、条件を満たせば履修できる場合があるとされています。日本語学習についても、留学生向けの日本語科目を履修することが可能です(詳細は公式カリキュラムページ・FAQを参照)。

出典:PEARL Student VoicesFAQ

おわりに

PEARLは、日本語力を問わず、慶應義塾大学という日本トップクラスの大学で本格的な経済学を英語で学べる、非常にユニークで魅力的なプログラムです。書類選考のみというシンプルな選考方式でありながら、IB・SAT・ACT(2027年9月入学以降はIBまたはSATのみ)とTOEFL・IELTSという明確な基準が設けられており、対策の方向性が立てやすいのも特徴です。またHEC Parisとの5年間ダブルディグリープログラムのように、卒業後のキャリアの幅を広げる制度も用意されています。

一方で、出願書類の準備、エッセイやアクティビティのまとめ方、標準テスト対策など、独自の対策が必要になる部分も多くあります。特に2027年9月入学からACTスコアが使えなくなるという変更もあるため、最新情報を正しくキャッチアップしながら計画的に準備を進めることが重要です。

EGCISは、インターナショナルスクール受験に特化した専門塾で、出願書類のサポート、出願試験対策、面接準備など、生徒の受験を総合的に支援しています。インターナショナルスクール受験についてお困りのことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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