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インターナショナルスクールの費用と価値:年間300万〜500万円は妥当か?

「インターナショナルスクールに通わせたいけれど、学費が高くて迷っている」という保護者の方は多いのではないでしょうか。インターナショナルスクール(以下、インター)の費用は、授業料だけではありません。入学するときのお金、施設費、スクールバス代など、いろいろな費用がかかります。この記事では、国の調査データなど信頼できる情報をもとに、インターにかかる本当の費用と、その費用に見合う価値があるのかを、わかりやすくまとめました。「高いか安いか」だけでなく、「わが家に合っているか」を考えるヒントにしてください。

※この記事の金額はあくまで目安です。学費は学校や学年によって違い、毎年変わることもあります。必ず各校の公式サイトや募集要項で最新の金額を確認してください。

授業料だけじゃない?インターに通うためのリアルな年間費用

インターの費用は、大きく3つに分けられます。

  1. 入学するときに1回だけ払うお金(出願料、入学金、登録料、デポジットなど)
  2. 毎年払うお金(授業料、施設費、教材費など)
  3. 使った分だけ払うお金(スクールバス、ランチ、放課後の活動、夏休みのプログラムなど
    東京のインターでは、授業料だけで年間250万〜300万円台の学校が多くあります。人気の高い学校では、中学・高校にあたる学年の授業料だけで300万円を超えることも珍しくありません。そこに施設費やスクールバス代などを足すと、1年間で約300万〜500万円になります。入学した最初の年は、入学金や登録料などが加わるため、500万円を超えることもあります。つまり、「年間300万〜500万円」という金額は、授業料が比較的おさえめの学校から、授業料だけで300万円を超える人気校までをふくめた、東京のインターの実際の相場と言えます。

1. 学費の内訳:授業料・施設費・寄付金・EAL費用・サマープログラム

授業料

一番大きな費用が授業料です。多くの学校では、学年が上がるほど授業料も高くなります。報道によると、インターの学費は学校によって違いはあるものの、大まかに年間200万円〜300万円かかり、学費のほかに、初年度に100万円程度、施設の維持費として年間15万円〜35万円程度の支払いがあるとされています。ただし、最近は物価の上昇などで学費が上がっている学校が多くあります。東京の人気校では、中学・高校にあたる学年の授業料が年間300万円を超えることが多くなっています。 mynavi

入学するときのお金(入学金・登録料・デポジット)

合格したあと、「入学金」や「登録料」として、まとまったお金を払うのが一般的です。金額は学校によって違い、数十万円から100万円を超える場合もあります。「デポジット」とは、学校に預けておくお金のことです。卒業や退学のときに返ってくる場合もありますが、返ってこない場合もあります。返金されるかどうかは、必ず事前に確認しましょう。

施設費・寄付金

授業料とは別に、校舎や設備を維持するための「施設費」を毎年払う学校が多くあります。また、校舎の建て替えなどのための「建築費」や、「学校債(デベンチャー)」と呼ばれる仕組みがある学校もあります。さらに、任意の寄付をお願いされることもあります。「必ず払うお金」と「自由に決められる寄付」を分けて確認することが大切です。

EAL費用(英語のサポート)

EALとは、英語が母国語ではない子ども向けの英語サポートのことです。授業料に含まれている学校もあれば、別にお金がかかる学校もあります。また、学年が上がるほど「入学時にある程度の英語力が必要」という学校が増えます。そのため、入学前に英語塾や家庭教師を利用する費用がかかることもあります。

サマープログラム(夏休みのプログラム)

インターの新学年は、8月の終わりから9月ごろに始まり、6月ごろに終わるのが一般的です。そのため、夏休みが2〜3か月と長くなります。この期間にサマースクールや海外のキャンプに参加させる家庭も多く、内容によっては数十万円以上かかることもあります。

その他の費用

ほかにも、次のような費用がかかることがあります。

  • スクールバス代:家から学校までの距離によって変わり、年間20万〜40万円ほどかかることもあります。
  • ランチ代:学校の食堂を使うか、お弁当を持っていくかで変わります。
  • パソコンやタブレットの購入費
  • 遠足や宿泊行事、海外研修の費用
  • 部活動や試合の遠征費
  • IBなどの外部試験の受験料

1年間の費用の目安(東京の場合)

費用の種類目安の金額ポイント
授業料約250万〜350万円学年が上がるほど高く、人気校の高学年では300万円を超えることが多い
施設費約15万〜35万円毎年かかる学校が多い
スクールバス代約20万〜40万円使う人だけ・距離によって変わる
教材・行事などの費用数万〜数十万円学校や学年によって違う
入学するときのお金数十万〜100万円以上最初の年だけ
1年間の合計約300万〜500万円人気校では最初の年に500万円を超えることも

※公開されている資料や報道をもとにした一般的な目安で、特定の学校の金額ではありません。

2. 私立中高一貫校+塾・留学費用との比較

インターの費用が高いかどうかを考えるには、ほかの選択肢と比べるのがわかりやすい方法です。ここでは、多くの家庭が検討する「私立中高一貫校」と比べてみましょう。

国の調査で見る私立校の費用

文部科学省は「子供の学習費調査」という調査で、子ども1人あたりに1年間でかかる教育費を調べています。この調査には、学校に払うお金だけでなく、塾や習い事の費用も含まれています。なお、令和5年度の調査結果は、令和8年1月に数字が一部訂正されています。以下は訂正後の数字です。


訂正後の1年間の教育費は、公立小学校366,599円、私立小学校1,741,516円、公立中学校542,450円、私立中学校1,560,359円、公立高等学校596,954円、私立高等学校1,179,261円です。

学校の種類1年間の費用卒業までの合計(目安)
公立小学校約37万円約220万円(6年間)
私立小学校約174万円約1,046万円(6年間)
公立中学校約54万円約163万円(3年間)
私立中学校約156万円約467万円(3年間)
公立高校約60万円約178万円(3年間)
私立高校約118万円約352万円(3年間)

出典:文部科学省「子供の学習費調査(令和5年度)」訂正後の数字をもとに作成
幼稚園から高校まで15年間すべて私立に通った場合は約1,969万円、すべて公立の場合は約614万円です。

私立中学校の費用には塾代も含まれている

この調査の金額には、塾代なども入っています。たとえば私立中学校では、学習塾費が168,058円、国際交流体験活動が66,503円となっています。つまり、私立中学校に通う家庭も、学校の費用に加えて、塾や海外研修にお金をかけていることがわかります。

東京の私立中学校は全国平均より高め

上の数字は全国の平均です。東京の私立校を考える場合は、東京都のデータも参考になります。東京都の調査では、令和8年度に東京の私立中学校に入学した年に払うお金の平均額は1,048,034円で、最高額は2,117,800円、最低額は668,000円でした。私立高校では平均額が1,007,549円です。これは学校に払うお金だけで、塾代や制服代、交通費は含まれていません。

中学・高校の6年間で比べると?

中学1年から高校3年までの6年間で、おおよその費用を比べてみます。

進路6年間の費用(目安)内容
私立中高一貫校(全国平均)約820万円私立中学3年(約467万円)+私立高校3年(約352万円)※塾代なども含む
私立中高一貫校+短期留学など約900万〜1,000万円以上上の金額+夏の語学留学、英語塾、中学受験の塾など
インターナショナルスクール(東京)約1,900万〜3,000万円以上年間300万〜500万円×6年+入学時のお金

※私立校の金額は、文部科学省の調査の全国平均をもとにした計算です。東京は全国平均より高い傾向があります。インターの金額は一般的な目安です。


金額だけを見ると、インターは私立中高一貫校のおよそ2〜3倍以上かかります。ただし、私立中学校に入るための受験塾の費用(受験の年は年間100万円前後かかるとも言われます)や、英語力をつけるための英語塾・留学の費用を足していくと、差は少しずつ小さくなります。大切なのは、「子どもにどんな力をつけてほしいか」「どんな進路を目指すか」をはっきりさせてから比べることです。

お金以外に知っておきたい大切なこと

インターを選ぶときは、日本の法律でどう扱われているかも必ず確認しましょう。日本の法律では、日本国籍の子どもを「一条校」と呼ばれる学校(日本の法律で正式に認められた小学校・中学校など)に通わせる義務があります。これを「就学義務」といいます。文部科学省によると、インターの中には一条校として認められた学校もありますが、多くは「各種学校」として認められているか、認可を受けていない施設です。そして、日本国籍の子どもを一条校ではないインターに通わせても、法律で決められた就学義務を果たしたことにはなりません。


たとえば横浜市は、一条校ではないインターを卒業しても、日本の小学校を卒業したことにはならず、市立中学校への入学は原則として認められないと案内しています。つまり、小学校でインター(一条校ではない学校)を選ぶと、あとから日本の中学校や高校に戻るのが難しくなる可能性があります。子どもの国籍によって扱いが変わるため、検討する段階で、住んでいる地域の教育委員会に相談することをおすすめします。

3. 学費を上回る「一生モノの価値」(語学力・国際人脈・批判的思考力)

インターの費用は高いですが、お金では測れない価値もあります。ただし、「通うだけで自然に身につく」わけではない点も含めて見ていきましょう。

語学力:英語を「勉強する」のではなく、英語で「学ぶ」

インターでは、算数や理科、社会など、ほとんどの授業を英語で受けます。週に1回の英会話教室とは違い、毎日長い時間、英語で考え、話し合い、文章を書きます。そのため、学校の勉強に必要なレベルの英語力が身につきやすくなります。多くの学校では、英語以外の外国語や日本語の授業もあります。
一方で、気をつけたいのが日本語の力です。インターでは日本語の授業時間が少ないため、漢字や日本語の作文が苦手になる子どももいます。将来、日本で働いたり日本の大学に進んだりする可能性があるなら、家庭で日本語の勉強を続けることがとても大切です。

国際人脈:いろいろな国の友達ができる

インターには、さまざまな国籍や文化を持つ子どもや先生が集まります。小さいころから、考え方や習慣が違う人たちと毎日一緒に過ごすことで、相手を理解する力や、変化に対応する力が自然と育ちます。卒業生は世界中の大学や会社に進むため、同級生とのつながりが、将来の国際的なネットワークになることもあります。

批判的思考力:「自分で考える力」が育つ

批判的思考力とは、情報をそのまま信じるのではなく、「本当にそうかな?」「自分はどう思う?」と考える力のことです。多くのインターでは、答えを暗記するよりも、自分で調べて考え、意見を発表する授業が中心です。特に「国際バカロレア(IB)」という国際的な教育プログラムについて、文部科学省は課題論文や批判的思考、幅広い知識の探究などの特色あるカリキュラムと、双方向・協働型の授業によって、グローバル化に対応した力を育てるプログラムと紹介しています。こうした力は、大学での勉強や社会に出てからも役立ちます。

価値を得るために確認しておきたいこと

インターの良さを活かせるかどうかは、子どもの性格や家庭のサポートによって変わります。次の点を事前に考えておきましょう。

  • 子どもが英語の環境や、自分で考えて動く学び方に合っているか
  • 学校からの連絡(多くは英語)に家庭で対応できるか
  • 卒業まで(長い場合は10年以上)学費を払い続けられるか
  • 卒業後の進路(海外の大学、日本の大学、働く場所など)のイメージがあるか

4. 海外大学・国内難関大進学における「コスパ」の考え方

インターの費用に見合う価値があるかどうかは、「卒業後にどこへ進むか」によって大きく変わります。

インターから日本の大学に進学できる?

まず確認したいのが、インターを卒業して日本の大学を受験できるかどうかです。文部科学省は、大学を受験できる人の条件として、国際バカロレア、アビトゥア、バカロレア、GCEAレベルなどの資格を持つ人や、国際的な評価団体(WASC、CIS、ACSI、NEASC、Cognia、COBIS)の認定を受けた学校の12年間の課程を終えた人などを定めています。つまり、インターを選ぶときは、「その学校がこうした団体の認定を受けているか」「IBなどの資格を取れるか」を必ず確認しましょう。これは将来の進路に大きく関わります。

海外の大学を目指す場合

海外の大学、特にアメリカの大学の学費は、日本よりかなり高額です。アメリカの団体「College Board」の調査によると、2025-26年度の私立4年制大学の授業料などの平均は45,000ドルで、生活費なども含めた1年間の費用は平均65,470ドルです。たとえば1ドル=150円で計算すると、授業料などだけで年間約675万円、生活費も含めると年間約980万円になります(実際の金額は為替レートによって変わります)。


ただし、同じ調査では、私立4年制大学の学生が奨学金などを引いたあとに実際に払う授業料の平均は、2025-26年度で約16,910ドルとされています。奨学金で負担が大きく減る場合もあるということです。ただし、留学生への奨学金の条件は大学によって大きく違います。


海外の大学を目指す場合、インターに通うことで次のようなメリットがあります。

  • 英語での出願書類(エッセイ)や面接に慣れている
  • IBなど、海外の大学で評価されるプログラムを学校で学べる
  • 海外大学への出願に詳しい進路カウンセラーがいる学校が多い
  • 日本の学校から目指す場合に必要な、留学準備塾や長期留学の費用を減らせる可能性がある

日本の大学を目指す場合

日本の大学を目指す場合も、インターでの学びを活かせる入試が増えています。文部科学省の資料によると、国内では77の大学でIBを活用した入試を行っています。また、日本でIB教育を行っている学校は260校(2025年12月31日時点)まで増えています。


インター生が日本の大学を目指すときの主な選択肢は、次のとおりです。

  • IB入試:IBの成績を使って受ける入試
  • 総合型選抜・学校推薦型選抜:活動実績や英語力などを評価する入試
  • 英語学位プログラム:授業がすべて英語で行われる学部・コース
  • 帰国生入試:ただし、「海外の学校に通っていた期間」が条件になっている大学が多く、日本国内のインター出身者は受けられない場合があります。必ず各大学の募集要項を確認してください。
    一方で、一般入試(共通テストや大学ごとの筆記試験)で日本の難関大学を目指す場合は注意が必要です。インターで学ぶ内容は日本の受験科目と違うため、別に受験対策が必要になり、かえって費用がかさむ可能性があります。「日本の一般入試で難関大学に合格すること」が一番の目標なら、私立中高一貫校のほうが効率的な場合もあります。

進路別に見るインターの「コスパ」

目指す進路インターのコスパ理由
海外の大学(特に英語圏)高くなりやすい英語力・カリキュラム・進路サポートがそのまま役立つ
日本の大学(IB入試・英語学位プログラム・総合型選抜)比較的高いインターでの学びや資格を活かせる入試がある
日本の大学(一般入試)低くなりやすい学ぶ内容が受験科目と違い、別に対策が必要
進路が決まっていない・日本の学校に戻る可能性があるよく考える必要あり就学義務や、中学・高校の入学資格の問題がある

まとめ:投資に見合う最高のインター教育を選択するために

東京のインターナショナルスクールに通う場合、授業料だけでなく、入学時のお金、施設費、スクールバス代などを合わせると、1年間で約300万〜500万円かかります。人気校では授業料だけで300万円を超え、最初の年は500万円以上になることもあります。国の調査をもとに私立中高一貫校と比べると、中学・高校の6年間で2〜3倍以上の費用の差があります。


それでも、インターには金額だけでは測れない価値があります。英語で学び、考え、発信する力。さまざまな国の友達との出会い。自分の頭で考える力。これらは、特に海外の大学や国際的な仕事を目指す家庭にとって、大きな価値になります。一方で、日本の一般入試を主な目標にしている場合や、途中で日本の学校に戻る可能性がある場合は、よく考えて選ぶことが大切です。


「年間300万〜500万円は妥当か?」の答えは、家庭の教育方針や、お子さまの将来の目標によって変わります。費用の合計、得られる価値、卒業後の進路までしっかり考えたうえで、「わが家にぴったりの学校」を選びましょう。学費や制度は毎年変わることがあるため、気になる学校の説明会に参加し、公式サイトや募集要項で最新の情報を確認しながら比べてみてください。


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